▲8日午後、ソウル・汝矣島漢江公園で開催された花火大会「ソウル世界花火祭り」。写真=パク・サンフン記者

 「そっちに入ってはいけません!」

 「じゃあ道に立って見ろってことですか?」

 8日夜、ソウルの空に華やかな花火が上がった瞬間、漢江沿いのあちこちで花火大会主催者側と見物客の間でこのようなもめ事が起こった。ソウル・汝矣島漢江公園一帯で行われた花火大会「ソウル世界花火祭り」の見物客たちが、主催者側が安全上の問題を理由に接近を制限した区域に集まったためだ。

 特に今年は新型コロナウイルス流行の影響で3年ぶりに開催されたということで、例年より多くの見物客たちが集まったため、秩序を保つのが難しかった。ソウル・麻浦大橋の下の歩行路からソウル市竜山区二村の漢江公園まで続く約3キロメートルに及ぶ川沿いの遊歩道には早くから見物客たちが集まった。

 問題は、安全上の理由で接近を制限している区域に人が立ち入ったことで発生した。あちこちに張られた横断幕は無用の長物だった。「危険区域につき立ち入り禁止」「ヘビ出没地域につき安全な場所に移動をお願いします」「斜面に座るのは危険」といった横断幕の内側に数千人の見物客が入っていた。同日午後7時20分ごろに花火大会が始まると、見物客たちは花火がよく見える場所を取ろうとフェンスを出入りした。

 この日、主催者の大手化学企業ハンファでは、運営スタッフと安全スタッフを3000人以上配置したと明らかにしたが、秩序を保つのには不十分だった。あちこちで案内スタッフが何度も「立ち入らないでください」「自転車には乗らないで、押して移動してください」と声をかけたが、これに従わない見物客も多かった。同日午後8時ごろ、元暁大橋の下の川辺には、酔っぱらい1人が危険地域に入ると騒いで怒声が響いた。近くで花火を楽しんだ会社員(35)は「新型コロナ以降、久しぶりのイベントを楽しもうと昼から来て待っていたが、あちこちで怒鳴り声が飛び交っていて気分が良くなかった」と語った。

 汝矣島漢江公園付近ではテントをめぐっても混乱が発生した。ソウル市の規定により、漢江公園内のテントは午後7時までしか張れない。しかし、この日は300人余りの見物客がテントをたたまなかった。漢江公園の保安官5人が一つ一つ回って、「テントは7時までです。片付けてください」と言ったが、それに従う見物客はほとんどいなかった。保安官がテントを片付けろと言うと、「じゃあ、地べたに座れって言うんですか?」と怒鳴る見物客もいた。

 慢性的なゴミ問題もまた繰り返された。花火大会終了後、汝矣島漢江公園には無断で捨てられたゴミが山のように積まれていた。公園の入り口の階段にはありとあらゆるデリバリー食品の広告が散らばり、見物客たちは食べ残しを無造作に捨てていった。地面にはチキンの箱や骨が散らばり、踏みつけられていた。ハンファ側は「翌日2000人を投入してゴミをすべて片付ける予定だ」と話している。

イ・ヘイン記者、シン・ジイン記者

ホーム TOP