▲10月21日、江原道春川市内のテーマパーク「レゴランド」に入場する人々。写真=チョン・ジュンボム記者

 「うわー! パパ、あそこでしょ?」

 今月21日午前、江原道春川市槿花洞と河中島を結ぶ春川大橋。車が橋の中程に差しかかった時、後ろの席の子どもが遠くに見える色とりどりのテーマパーク「レゴランド」を指して歓声を上げた。5カ月間待ってレゴランドにやって来たということで、その子は幸せな気持ちでいっぱいになったようだった。その子は車窓に額を当てて目的地を見て、前の席の両親に何かをしきりに説明していた。

 だが大喜びの子どもとは違い、父親の心境は複雑だった。よりによって、レゴランドが2000億ウォン(約208億円)台という資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の債務不履行(デフォルト)で国内資金市場に衝撃が走った直後だったからだ。だからだろうか。子ども心あふれるレゴランドよりも、その周辺に広がる広大な未開発の土地がまず目に入った。河中島の文化財毀損(きそん)や事業性論争など、この11年間レゴランドについて回ったありとあらゆる雑音が広い空き地のあちこちに染み付いているようだった。

 平日とは言え金曜日にやって来ただけに、長い行列を覚悟していた。ところが、オープンした今年5月に全国各地の親たちの忍耐力が試されるほど長く伸びていた行列も、この日は見られなかった。このレゴランドで一番人気のあるアトラクション(乗り物)として知られる「ドラゴンコースター(ジェットコースター)」も30分ほど待てば乗ることができた。家族と一緒に休日を楽しみに来た人にとっては良かったが、デフォルト克服の可能性を見いだすためにやって来た人にとっては疑念がわいた。

 午後になると入場者がどんどん増えたが、人気テーマパークのエバーランドやロッテワールドには遠く及ばない。ここが「年間200万人以上集まる」と言われた韓国内初の世界的テーマパークだということを考えれば、「閑散としている」と評されても仕方がない。業界関係者によると、今年5月に13万人だったレゴランド入場者数は6月に10万人、7月に7万人と減少傾向にあるという。

 レゴランドの人気が急落している理由を探すのは難しくなかった。入場者に「また来たい」と思わせる要素がほとんどないのだ。遠路はるばるやって来た入場者を最初に出迎えるのは駐車場入り口に掲げられている「有料」駐車場の案内文だ。レゴランドで数十万ウォン(数万円)使った後でも、5時間以上車を止めていた場合は駐車代1万2000ウォン(約1200円)をまた払わなければならない。駐車料金がもったいないと思うなら、電車に乗って春川駅を降りてから、1時間に1本のシャトルバスを利用するか、一晩の宿泊料金がソウル市内の高級ホテルに次ぐレゴランドホテルに泊まらなければならない。

 レゴランド一日利用券も5万4000ウォン(約5600円、金曜日・大人料金)と、3万ウォン(約3100円)台のエバーランド自由利用券よりはるかに高い。料金が高い分、満足度も高いかと言えば、そうではない。つまりコストパフォーマンスが悪いのだ。40余りのアトラクションが大人の目線で不十分なのは理解できる。レゴランドというテーマパークそのものが大人よりも小学生以下の子どもをターゲットにしているためだ。

 だが、テーマパーク内の飲食店の多くが営業すらせず、営業中の飲食店のメニューもファストフード一色である点は納得しがたい。春川名物のタッカルビ(鶏肉と野菜の唐辛子みそいため)がメニューにあると思っていたら期待外れだ。子どもが主役というレゴランドの特性上、親が待たなければならない状況がしばしば発生するが、座って休むことができるベンチなどの便宜施設の数も少なかった。地面に寝転んで泣いている子どもや、我が子を優先させようともめる親たちを見なければならないのも苦痛だ。子どものために一度は来ることがあっても、二度は来る必要がないと感じられるのも、こうした理由からだ。

 レゴランドを建設した江原中道開発公社が推算したレゴランド損益分岐点は年間売上400億ウォン(約41億円)以上だという。大人と子どもの入場料平均を4万ウォン(約4100円)程度と仮定すると、年間100万人を超える人が入場しなければ黒字にならないという意味だ。しかし、さまざまな理由でレゴランドの「オープン特需」はあまりにも早く消え手しまったように思う。

 レゴランド周辺が開発され、その波及効果があればいいのだが、これもすぐには難しい。レゴランド付近に先史遺跡博物館造成を計画している江原中道開発公社は現在、深刻な財政難にあえいでいる。レゴランド側が河中島に確保した敷地8万坪(約26万平方メートル)のうち、未開発のままの2万坪(約6万6000平方メートル)の活用も財政難に阻まれて難しい状況だ。資金繰り行き詰まりの危機を克服しなければならない江原道とレゴランドの道のりは険しそうだ。

 コスパの悪いレゴランドツアーを終えて駐車場に戻る途中、街路樹にかかっていたパネルの言葉が目に入った。「レゴランド 一度来たら気が抜けて、二度来たらバカになる」。レゴランド建設で河中島の文化財が傷付けられたと批判する市民団体が掛けたパネルらしい。駐車場に向かって歩いていた人々は皆、パネルを目にすると立ち止まって笑った。共感の苦笑いだと感じたのは気のせいだろうか。

春川=チョン・ジュンボム記者

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