国際総合
多様性が革新を生む…日本の大学工学部、競って「女子枠」導入
日本の大学が、先を争って工学部の入学定員の一部に「女子枠」を導入している。日本の大学工学部の場合、男子学生の比重が絶対的に高く、多様性が足りない状況の中で革新的なアイデアが出難いという危機感が広がっているからだ。
東京工業大学は、2024年の入学定員1028人中、女子のみを対象とする試験で58人を選ぶ。女子は一般の入試にも出願できる。2025年には女子枠の人数を143人に増やす計画で、これは入学定員全体のおよそ15%に達する人数だ。名古屋大学や富山大学、島根大学は既に、今年4月の入学定員にて女子枠を設けた。工学部がなかった奈良女子大は昨年、工学部を設立し、お茶の水女子大は来年、工学部を新設する計画だ。
学界では、半導体・造船業などそれまで世界を先導してきた日本の産業界が、過去30年間不振に見舞われている原因の一つとして、理工系分野構成員の多様性不足を指摘している。2020年に経済協力開発機構(OECD)が明らかにしたところによると、科学・技術・工学・数学分野における日本の大学入学者のうち、女子の割合は18%だった。OECD加盟国の中では最低の数値で、加盟国平均の31%を大幅に下回った。米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の女子学生の割合は48%に達する。
日本政策投資銀行によると、女性のメンバーがいるチームで開発した特許資産の経済価値は、男性だけで構成されたチームのものより50%高いことが判明した。東工大の益一哉学長は「同質性の高い組織では、既存の枠組みを変えて新たな産業を創出する革新的な思考が難しい」とし、「女子枠の導入は果敢な変化を引き出す手段になるだろう」とコメントした。
日本政府も、工学を専攻する女子学生を確保するため支援策を打ち出した。文部科学省は昨年、各大学に通知した入試要項(令和5年度大学入学者選抜実施要項)で、各大学の判断により「多様な背景を持った者を対象とする選抜」を含めて入試方法を工夫することが望ましいとし、そうした選抜の対象者の例示として「理工系分野における女子」を明記した。文部科学省は「理工系の女子枠を実施する大学に補助金など支援策を推進する必要がある」とコメントした。
東京=崔源国(チェ・ウォングク)特派員