政治総合
まるで市民団体のような共に民主…きのうは日本大使館に押しかけて、きょうは福島へ
「日本の福島原発汚染水(処理水)問題を直接確認する」として福島訪問を予告している韓国国会第一党で最大野党「共に民主党」の議員たちが5日、日本大使館を訪れ、「韓国政府の検証・同意なしに日本政府は汚染水を海洋放出してはならない」と要求した。これらの議員たちはその直後、国会で行われた記者懇談会で「韓国政府は日本政府と一緒になって汚染水を放出しようとしている」と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権を非難した。共に民主党内からは、「『尹大統領が汚染水放出に関して発言した』と報じた日本のメディアを家宅捜索すべきだ」という主張や、「(日本が)汚染水を放出しようとしたら、韓国の軍艦を派遣しなければならない」という主張まで出ている。韓国政界では「国会で169議席を占める第一党の共に民主党の行動が、できたばかりの市民団体と同じレベルにまで下がっている」という声が上がっている。
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共に民主党の「福島汚染水放出阻止対応団」の議員たちは5日午前、ソウル市鍾路区の日本大使館を訪れ、浪岡大介経済公使と面談した。同団の梁李媛瑛(ヤンイ・ウォンヨン)議員らは「『韓国と周辺国のはっきりした同意なしに汚染水を放出してはならない。福島産の水産物輸入再開も話し合われてはならない』と日本側に話した」「汚染水関連資料の提出にも協力するよう要求した」と述べた。これに対し、浪岡公使は「『韓国政府に資料を十分に提供している。(必要な資料は)韓国政府を通じて要求すれば提供する』と答えた」と共に民主党では言っている。
共に民主党の5議員(魏聖坤〈ウィ・ソンゴン〉、梁李媛瑛、尹永徳〈ユン・ヨンドク〉、尹才鉀〈ユン・ジェガプ〉、李竜彬〈イ・ヨンビン〉の各議員)は国会で記者懇談会を開き、6日から8日までの東京・福島訪問日程を発表した。これによると、日本の原発安全専門家と面談し、福島の被災者らに会うなどの予定となっている。「福島原発を運転していた東京電力の本社を訪れ、汚染水関連の原資料を要求する計画だ」と言ったが、現状としては「現在まで面談は事実上、拒否されている。しかし、要請書を渡せば受け取ると言った」と述べた。日本では統一地方選挙を控えており、日韓議員連盟所属の日本の議員との面談も不発に終わった」と明らかにした。「実効性のない、見せるためだけの日本行き」ではないかという指摘に対し、魏聖坤議員は「有力な政治家に会うことばかりが能ではない」と言った。
韓国は汚染水の安全性問題に関して、国際原子力機関(IAEA)の検証に参加している。韓国政府も国際基準に符合する客観的かつ科学的な検証や、韓国の専門家も参加する検証が必要だという見解を繰り返し述べてきた。文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2021年4月、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官=当時=も国会で、「日本がIAEAの基準に合う手続きに従うならば、あえて反対しない」と言った。ところが、政権が変わって野党になると、共に民主党は「何が何でも反対」をあおってばかりいるのだ。鄭義溶前長官の当時の発言について、魏聖坤議員は同日、「共に民主党の見解ではなく、鄭義溶氏個人の見解だった」と述べた。
共に民主党は「現政権は日本の汚染水放出に事実上賛成している」と主張し続けている。日本の共同通信が先月29日、尹大統領が菅義偉前首相と会った時、汚染水放出に関して、「時間がかかっても、韓国国民の理解を求めていく」と語ったという報道が根拠だ。大統領室は繰り返し「事実ではない」と言っているが、この日も共に民主党のパク・チャンデ最高委員は「おかしなことに尹大統領は該当の報道の真意について口をつぐんでいる」と言った。
共に民主党の議員たちは4日夜の動画共有サイト「ユーチューブ」の放送で、「日本メディア家宅捜索」「軍艦派遣」に言及した。共に民主党所属の禹元植(ウ・ウォンシク)、李学永(イ・ハギョン)、徐瑛教(ソ・ヨンギョ)の各議員と無所属のる閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員は同日の放送で、「日本(メディア)の言葉が正しいのか、大統領室の言葉が正しいのか、分からない」「(それを知る)方法がある。日本のメディアを家宅捜索すればいい」と言った。また、李学永議員は「福島沖で海洋放出するその日、『軍艦を派遣する』と、それくらい脅して強く反対しなければならない」と述べた。だが、こうした発言に対しては、共に民主党内でも「いくら支持者を対象にした発言だとしても、すべて公になるのに、度を越えている」という声が出ている。
パク・サンギ記者