かつて日本最高の野球選手だった、在日韓国人の張本勲氏が「いつまで日本に『謝罪しろ』『カネを出せ』と繰り返さないといけないのか。恥ずかしい」と語った。張本氏は「当時はわれわれが弱くて国を奪われたが、今では自負を持って日本と対等に手を組み、隣国として進んでいってはいけないのか」と述べた。広島で被爆した経験を持つ張本氏は、多くの懐柔にも関わらず最後まで韓国籍を守った人物だ。そんな張本氏が「私は韓国人で、私の祖国だから言うこと」だとし、胸に刺さる苦言を投げかけたのだ。張本氏だけの考えではないだろう。多くの韓国国民も、今や韓国は先進国になったのに、いつまで日本と非正常な関係を引きずりながら「謝罪しろ」「カネを出せ」と言うのか-という思いを抱いている。

外部勢力に侵略されて植民地になった国は多い。だが韓国のように、80年も謝罪と賠償を要求し続けている国はない。ベトナムはフランスの統治と日本軍の進駐、米国との戦争などで800万人の国民を失った。だが相手国に賠償を要求する代わりに「未来のために協力しよう」と言った。金大中(キム・デジュン)政権が「韓国軍のベトナム良民虐殺疑惑」に対する補償の意志を明かすと「必要ない」と答えた。ドイツとロシアの侵攻で560万人が死んだポーランドは、ドイツとの安全保障協力を強化した。過去は忘れないが、未来へ向かったのだ。

 1965年の請求権協定には徴用被害者の補償が明白に明示されており、補償もなされた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権も「日本に再び賠償を要求することはできない」と結論を下した。そのとき、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領も政権に参加していた。ところが大統領になると、反日攻勢に利用した。慰安婦合意も事実上破棄した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が困難の中で徴用被害者への第三者弁済案を打ち出したが、進歩(革新)系最大野党の「共に民主党」は「屈従外交」だとの非難に忙しい。何の代案も提示しない。ひたすら国民感情を刺激し、政治上の利得を狙う計算あるのみだ。

 今、大韓民国は世界第6位の輸出大国で、国民1人あたりの国内総生産(GDP)は日本に並ぶ。国家競争力の順位は日本を上回った。日本では「このままでは韓国に後れを取る」との懸念が強い。そんな韓国が絶えず「カネを出せ」と言ったら、国際社会はどう思うか。歴史の教訓を忘れてはならないが、被害意識からは抜け出すべきだ。そうすべき時期になった。反日攻勢をカネ稼ぎと政治に利用する勢力も、もうそんなことはやめなければならない。

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