▲朝鮮デザインラボ チョン・ダウン

 昨年初めに住宅担保ローンと無担保ローンを駆使して7億ウォン(約7680万円)を調達し、住宅を購入した会社員Yさん(37)は現在、毎月元利合計で350万ウォンを返済している。350万ウォンはYさんの月収の90%余りを占める。Yさんは「共働きだったので思い切ったが、祝祭日や慶弔まで重なり、最近は正直生活が苦しい」と話した。

 韓国の家計債務の対国内総生産(GDP)比は昨年末現在で108.1%を記録し、世界で国の経済規模に比べ、家計債務の割合が2位の国になった。2021年は世界4位だったが、1年で2ランクも上昇した。

 世界の大半の国がコロナを経て、対経済規模比で家計債務を減らす「借金ダイエット」に成功した。しかし、韓国は逆に家計債務が大きく増え、その増加幅は比較可能な26カ国でトップだった。Yさんのように住宅価格急騰期に借金をかき集めてマイホーム購入する人が多かったためだ。家計の所得に占める利子負担は過去最大を記録している。

■「借金ダイエット」に失敗した韓国

 国際通貨基金(IMF)によると、昨年末現在で韓国の家計債務の対GDP比はスイス(130.6%)に次ぐ世界2位を記録した。21年まではカナダが2位だったが、韓国がカナダを追い越し、初めて2位となる不名誉を得た。

 韓国はコロナ直前の19年と比べ、22年の家計債務の対GDP比が10.5ポイント(97.6%→108.1%)も高まり、増加幅が最大だった。19年にはまだ世界7位だった。比較可能な26カ国のうち、米国、カナダ、英国など16カ国がコロナを経てデレバレッジ(借金削減)に成功したが、韓国は逆に借金が最も増えた。韓国以外で家計債務が増えた国々の平均増加幅が2.7ポイントだったことから、韓国の家計債務がどれほど大幅に増えたのかが分かる。17~22年の5年間の家計債務の増加幅も韓国は16.2ポイントで圧倒的トップだった。

 専門家たちは家計債務が経済成長に悪影響を及ぼし始める臨界値を80%とみている。元利償還負担で消費が萎縮する水準だ。国際金融協会(IIF)の統計によれば、世界各国の家計債務の対GDP比は平均61.9%だ。

 しかし、韓国は既に12年の時点で臨界値を超えており、その後もますます高くなっている。韓国銀行は特別な対策がなければ、今後3年間で家計債務が毎年4~6%程度増加すると予想している。経済成長の勢いが大幅に鈍化し、家計債務の増加幅が成長率を上回るとみられるだけに、家計債務の対GDP比は近い将来に110%を超える可能性がある。

■借金漬けの結果、利子負担過去最大

 その上、借り入れ時には予想できなかった高金利状況となり、家計所得に占める利子負担は過去最大を記録している。

 統計庁によると、第2四半期(4~6月)に家計が利払い費用として支出した金額は月平均13万1000ウォンだった。これは統計を取り始めた2006年以降で最高だ。家計による利払い負担は21年第2四半期の月平均8万6000ウォンから2年間で52%急増した。このため、平均月収(479万3000ウォン)に利子が占める割合は2.7%で、四半期ベースで過去最大となった。全世帯のうち利払いがある世帯は39.9%で、借金が世帯の実際の利子負担は全体統計よりもはるかに重いとみられる。

 世帯の類型別では、「伝貰(チョンセ)」と呼ばれる保証金形式の賃貸物件で世帯の利払い支出の増加幅が最大だった。月平均21万4319ウォンで、21年第2四半期(10万2000ウォン)に比べ2.1倍に増えた。月額賃料を支払う賃貸物件に住む世帯は48.9%(2万3000ウォン)増の7万ウォン、持ち家世帯は38.1%(3万9000ウォン)増の14万3000ウォンだった。

 韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は8月末、国会で「政府と韓銀が共に家計負債比率を100%以下に抑えるよう今後数年間努力するという共通認識が形成された」と述べた。

金垠廷(キム・ウンジョン)記者

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