▲イ・ウンエ教授が専攻医時代、一緒に勤めていた同僚たちと撮影した記念写真。写真=ソウル聖母病院

 順天郷大学富川病院家庭医学科専門医のイ・ウンエ教授(35)が患者5人に臓器を提供してこの世を去った。イ・ウンエ教授は中央大学医学部を卒業し、サムスンソウル病院で研修した後、順天郷大学富川病院家庭医学科に専門医として在職していた。ソウル聖母病院が7日に発表した。

 発表によると、イ・ウンエ教授は6日、心臓・肺・肝臓・2つの腎臓を患者に提供したとのことだ。イ・ウンエ教授は3日、ソウル市永登浦区汝矣島近くで知人たちと食事中に頭痛と嘔吐(おうと)、めまいを訴えて病院に搬送され、脳出血(くも膜下出血)と診断された。集中治療室で治療を続けていたが、状態が好転せず、脳死状態に陥った。

 イ・ウンエ教授の父親は「脳死という言葉が信じられず、きっと目覚めるだろうという小さな希望を抱いていた」としながらも、「患者の命を救うことを仕事にしていた娘が、生涯の最後まで医師としての役目を全うできる方法なので、言葉では表現できないほどつらく、胸が痛んだが、臓器提供を決意した」と語った。

 イ・ウンエ教授の妹は「姉は中学・高校時代、常に全校1位だった。卒業した高校では初の医大生であり、医学部を次席で卒業、専攻医全国1位になるなど、立派な医療者で、私にとっての誇りだった。医師としての生活でつらい時も家族の悩みをいつも聞いてくれて、気持ちも察してくれた」と話した。

 ソウル聖母病院臓器移植センター長のパク・スンチョル教授(血管移植外科)は「『医師という職業にすべてを注いでいた娘が、最後まで患者の方々を救うことができるなら』というご家族の崇高かつ意義深いご意志が無駄にならないよう、最善を尽くした」と述べた。

オ・ユジン記者

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