▲10日、ソウル市中区のザ・プラザ・ホテル・ソウルで、「第12回ブルッキングス研究所・韓国国家戦略研究院(KRINS)・朝鮮日報 国際カンファレンス」が開催された。写真は発言する出席者たち。写真=キム・ジホ記者

 米ブルッキングス研究所、韓国国家戦略研究院(KRINS)、朝鮮日報が10日に共催した国際カンファレンスで、出席者らは「今年4月に行われる韓国の国会議員総選挙や11月の米国大統領選挙など、韓米の選挙で韓米同盟・韓米日協力関係が揺らいではならない。韓米日関係発展のための超党派的支持が各国から出てこなければならない」と述べた。韓米外交・安保専門家らは「北朝鮮とロシアが武器取引を行い、中国は国連安全保障理事会でこれに対する制裁決議に拒否権を行使し、助けている。より密接になっている朝中露の脅威を防ぐためにも、韓米日協力は必須だ」と言った。

 「韓米日および朝中露連帯加速化と韓半島(朝鮮半島)安保」をテーマに行われた同日のカンファレンスで、ブルッキングス研究所のアンドリュー・ヨ・シニアフェロー(韓国担当)は「各国の選挙により韓米日協力基調が変わる可能性がある」と分析した。また、「4月の韓国総選挙で与党が負けたり、日本で岸田内閣の問題で選挙が行われて首相が失脚したりすれば、3カ国協力の速度が落ちるだろう。ドナルド・トランプ前大統領が11月の米大統領選挙でホワイトハウスに復帰すれば、3カ国協力はさらに不透明になるだろう」と述べた。その上で、「トランプ前大統領はかつての在任時のように同盟を取引手段として扱うだろうし、韓国の野党が持っている日本に対する敵対心が頭をもたげると思われるからだ」と説明した。ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は「大統領が誰になろうとも、米政府は変わることなく同盟に対する防御の意志を確固たるものにしなければならない。在韓米軍など域内米軍兵力を現在のレベルで維持すべきだ」と述べた。

 韓国国家戦略研究院の韓民求(ハン・ミング)院長は「一部には『韓米日安保協力が朝中露連帯の口実を提供した』という、事実とは異なる非難・世論を広める動きがある。従来の国際秩序に対する中国の挑戦、北朝鮮の核武装、ロシアのウクライナ侵攻などが韓米日連帯を触発させたとみるのが正しい解釈だ」と言った。

 韓国国防部(省に相当)の申源湜(シン・ウォンシク)は同日のあいさつで、「今、我々は冷戦以降、最も厳しいグローバル安保状況に直面している。(北朝鮮の総書記)金正恩(キム・ジョンウン)氏は『あらゆる手段と力を総動員して大韓民国を完全に焦土化する』と公の場で脅迫した」と語り、今後は韓米日3カ国の安保協力をさらに発展させるだろうと述べた。

 ブルッキングス研究所のロバート・アインホーン・シニアフェローは「北朝鮮とロシアの密着ぶりは以前とは違う次元で展開されている。かつてロシアは北朝鮮のことを『資産』ではなく『負債』のように考えていた。しかし、今は北朝鮮のことを米国との競争で戦略的価値のあるパートナーとみている。現在の密接な朝露関係は便宜にともなう一時的結合ではなく、米国に対抗するため中国と共に歩むという長期的戦略の変化だ」と分析した。

 韓国国防部の咸炯弼(ハム・ヒョンピル)元北朝鮮核対応政策課長(陸軍大佐)は「北朝鮮がロシアの支援を受けて核・ミサイル開発への道をたどれば、核心的な兵器の完成速度を大幅に繰り上げることができる。北朝鮮はさまざまな発射手段により、少なくとも300発以上の核戦力を保有するものと予測される。これは350発前後の核戦力を持つ英国やフランスのレベルに近い」と言った。150-200発程度のインドやパキスタンよりも北朝鮮の方がより大きな規模の核戦力をまもなく持つことになるだろうという意味だ。

 イ・ジョンウン元韓国陸軍戦略ミサイル司令官(予備役中将)は「北朝鮮は韓米に対して、核による脅しと瀬戸際戦術により『平時でも戦時でも完全な勝利は達成できない』という認識を植え付け、優位に立とうとするだろう。これは、中国が米国に対して使っている戦略を踏襲するものだ」と述べた。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

ホーム TOP