▲グラフィック=キム・ソンギュ

 韓国で偽物の石油製品を販売した罪で起訴されたA被告は、在宅のまま裁判を受けていた2021年10月、行方をくらました。実刑の言い渡しが予想されたことから、逃げ出したのだ。その後、欠席裁判で懲役2年が確定したが、検察はA氏を刑務所に収監できなかった。数千万ウォン(1000万ウォン=現在のレートで約110万円)台の投資詐欺の罪で在宅起訴されたB被告も21年11月、懲役6カ月の刑確定を前に逃亡し、服役を逃れた。

 1月30日に大検察庁(最高検に相当)が明らかにしたところによると、懲役・禁固などの刑は確定したものの逃走して収監されていない「服役忌避者」の数が、累積で6000人を超えた。服役忌避者は19年の4413人から、20年4548人、21年5340人、22年5912人と年々増加し、23年には6077人まで増えた。わずか5年で38%も増加したのだ。

 服役忌避者が急増している原因として、こうした忌避者を追跡できる法的手段がないことが挙げられている。服役忌避者のクレジットカード利用内訳、病院での診療記録など、所在を把握できる端緒があっても、これを確保するための捜索令状の発布を受けられない。また、服役忌避者が他人の家に潜伏していると疑うに足る状況があっても、その家を捜索する令状は発布してもらえない。

 現在、韓国検察が服役忌避者を追跡するために動員できる手段は、携帯電話の位置追跡だ。これを基にした長期間にわたる探索と張り込みが、追跡手段の全て。服役忌避者が他人名義の携帯電話を使ったり、複数の地域をひんぱんに移動したりしたら、検挙に困難が生じることは避けられない。

 服役忌避者を追跡できる令状発布の根拠条項を新設する刑事訴訟法一部改正案が昨年9月に韓国国会へ提出されたが、今までのところ、法制司法委員会に留め置かれている。ある法曹関係者は「犯罪容疑をかけられた被疑者に対しては捜索・押収などの令状発布ができるのに、既に刑が確定している服役忌避者に令状を発布できる条項がないことは問題」と語った。

イ・スルビ記者

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