▲イラスト=UTOIMAGE

 韓国の平均賃金が日本よりも高くなったことが調査の結果明らかになった。日本は数十年にわたる景気不振の影響で賃金がほぼ上昇せず、韓国は大企業を中心に高い水準の賃金上昇が20年にわたり続いたためだ。その一方で韓国の賃金上昇のペースが日本に比べてあまりに早いことも改めて確認できた。また韓国では大企業と中小企業の賃金格差が20年前に比べてさらに広がったが、日本では逆に格差が縮小していた。

 韓国経営者総協会は17日「韓日賃金現況の推移、国際比較と示唆点」と題された報告書を公表した。それによると従業員10人以上の企業で働く韓国と日本の正規社員の毎月の給与を2002年と22年で比較したところ、韓国は02年の179万8000ウォン(現在のレートで約20万1200円、以下同じ)から22年は399万8000ウォン(約44万7400円)に増加した。これに対して日本は385万4000ウォン(43万1300円)から379万1000ウォン(約42万4300円)に減少した。22年になって韓国の賃金が日本の賃金を上回ったのだ。とりわけ物価水準などを反映した「購買力平価(PPP)」では22年の韓国の賃金は4933ドル(約73万5000円)、日本は4061ドル(約60万5000円)で両国の差はさらに広がっていた。

 企業規模別では2002年には大企業、中小企業のいずれも日本が大きく上回っていたが、22年にはいずれも逆転した。この20年間で韓国の大企業の賃金は157.6%上昇したが、日本は6.8%のマイナスとなった。中小企業は韓国では111.4%上昇し、日本は7%の上昇にとどまった。

 大企業と中小企業の賃金格差は韓国の方が大きかった。大企業の賃金を100とした場合、中小企業の賃金は韓国では2002年の70.4から22年は57.7へとその差がさらに広がった。同じ期間に日本は64.2から73.7と大企業との格差は縮小した。相対的に見て韓国は大企業、日本は中小企業の賃金がより上昇したことが分かる。

 韓国経営者総協会は「日本と違い韓国では大企業で大幅な賃金上昇が続き、その結果、中小企業との賃金格差が一層広がったため賃金の二重構造がさらに固定化した。これは社会的葛藤をもたらしている」とした上で「賃金が高い水準にある大企業は賃金の引き上げを可能な限り自制し、若者の雇用拡大と中小の協力会社の経営環境改善に努力すべきだ」と指摘した。

イ・ジョング記者

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