▲イラスト=キム・ソンギュ

 ソウル市の生計費が、世界227都市の中で16番目に高いことが分かった。一方、各都市の生活の質を評価する項目では、世界241都市の中で81位だった。世界的なコンサルティング企業、「マーサー(Mercer)」が18日に発表した。

 マーサーは2023年、全世界の駐在員を対象に調査を実施。ソウルの生計費は英国ロンドン(17位)、隣国・日本の東京(19位)より高い水準だった。ソウルの住居費や交通費、食費、被服費など生活に掛かる費用が全般的に毎年上昇の一途をたどっており、もはや世界の名だたる主要都市を上回る水準になってしまったのだ。2020年には東京が3位でソウルは11位だったが、ここ数年の記録的な円安と相対的なソウルの物価上昇によって、両都市の生計費の順位が入れ替わった。

■ソウルは16番目に生計費が高い都市

 マーサーが毎年発表している生計費調査は、全世界の都市の住居費や交通費、食費、被服費など200項目の価格を米ドルに換算して総合的に比較したものだ。グローバル企業各社が社員を海外に派遣する際、手当を算定するための参考資料としても活用されている。

 マーサーの調査によると、昨年1年間で世界で生計費が最も掛かった都市は香港だった。2位はシンガポールだった。マーサーは「アジア圏の国が1、2位を占めた」と説明した。生計費の高い都市「トップ10」のうち4都市はスイスの都市だった。3位がチューリッヒ、4位がジュネーブ、5位がバーゼルだ。米ニューヨークは6位だった。デンマークのコペンハーゲンが9位、米ロサンゼルスが11位、中国の上海が12位、中国の北京は13位だった。

 ソウルは昨年より2つ順位を下げて16位となった。世界でも生計費が高いことで有名な香港とシンガポール、スイスと米ニューヨーク、デンマークなど一部の北欧国家を除けば、ソウルが最も生計費の高い都市だと言っても間違いではない状況だ。日本の東京(19位)だけでなく、欧米の主要都市よりも順位が高かった。ロンドン(17位)、ドバイ(18位)、ボストン(21位)、シカゴ(24位)、ウィーン(25位)、ヘルシンキ(34位)、パリ(35位)などだ。東京は円安の影響でここ数年の間に生計費の順位が下落し、2020年の3位から23年には19位へと大きく順位を落とした。

 急上昇するソウルの生活物価も生計費を押し上げる主な要因だと分析されている。全世界の駐在員を対象に調査するため、どの国の駐在員たちも頻繁に購入するバターの価格を調べたところ、昨年ソウルのバターの価格は前年比で26%上昇した。昨年は牛乳の消費者物価指数が前年比で9.9%上昇しており、これがバターの価格上昇に影響を及ぼしたとみられる。同じ期間にニューヨークでは20.2%、パリは20.3%、シンガポールは17.4%、バターの価格が上昇した。

■ソウル、生活の質は81位

 マーサーはまた、世界各都市の生活の質について順位を測定する指標もあわせて発表した。この調査も世界各地に派遣されている駐在員とその家族を対象に実施している。世界241都市のうちソウルは生活の質部門で81位にとどまった。マーサーは生活の質の測定について「各都市の消費財の価格と経済環境、住宅の安定、医療環境、政治的・社会的環境、公共サービスおよび交通、レクリエーション、社会・文化環境、自然環境などを総合的に考慮して判断している」と説明した。

 これらの条件を充足していて生活の質が最も良い都市はオーストリアのウィーンだった。2位はスイスのチューリッヒ、3位はニュージーランドのオークランドだった。デンマークのコペンハーゲンが4位、スイスのジュネーブが5位だった。シンガポールは29位、東京は50位だった。ポルトガルのリスボン(39位)、スロベニアのリュブリャナ(78位)、ハンガリーのブダペスト(80位)などの都市も生活の質でソウルを上回った。

ソン・ヘジン記者

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