▲昨年10月22日午後に仁川SSGランダースフィールドで行われたポストシーズン準プレーオフ第1戦のSSGランダース対NCダイノス戦。/News 1

 「打席に立つと、選手ごとに専用の応援歌が流れる。ダグアウトの近くでチアリーダーとドラマー(太鼓の叩き手)が観客に向かって絶えず応援を呼び掛ける。韓国の野球場では新人もスター待遇を受ける」

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、20-21日にソウルの高尺スカイドームで開催された米メジャーリーグ(MLB)の開幕戦「ソウル・シリーズ」を前に、韓国の「独特な」野球文化を紹介する特集記事を掲載した。NYTは19日「叫ぶ準備をせよ:韓国で野球ファンになる方法」と題する記事で「(韓国野球の)この全てのことが、2連戦を行うロサンゼルス(LA)・ドジャースとサンディエゴ・パドレスを待っている」とつづった。

 NYTは「米国の野球場は長時間ずっと穏やかだが、韓国の野球の試合は『センサリー・オーバーロード(感覚過負荷)』だ」と表現した。集団での応援が発散するエネルギーと連帯感がその長所だと分析している。NYTは「試合に完全に没入するためには、チアリーダーの呼び掛けに従うこと。チアリーダーたちはチームが負けているときでも応援歌や掛け声で応援し続ける」と書いた。さらに「敗者をねぎらうのは韓国のファン文化の特徴」だとして「米国のファンたちは点差が大きく開くと落胆して早々に球場を離れるケースもあるが、韓国のファンたちは最後の瞬間まで球場にとどまる」と説明した。

 球場ごとに特色のある「屋台フード」についても注目した。NYTは「トッポッキ、豚足、チキン、ビールを座席に持ち込んで食べるほか、『バーベキューゾーン』もある」「蚕室球場はキムチマリグクス(キムチそうめん)、水原野球場は鶏の丸焼きと焼き餃子、高尺スカイドームはクリームエビが有名だ」と説明した。

 NYTは「(韓国の野球文化には)スポーツはつまらないと考えているかもしれない若いファンたちを引き込む秘訣(ひけつ)がある」として「長時間労働と計り知れない社会的圧迫があるこの国で、野球が人気を集める背景(にはこのような文化がある)」とも分析した。

キム・フィウォン記者

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