【TV朝鮮】(アンカー)

 今月20日から尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領内乱事件の刑事裁判が始まりますが、憲法裁判所の弾劾審判結果が刑事裁判にどのような影響を及ぼすか、社会法曹チームのチョン・ジュンヨン記者と予想してみます。チョン記者、今の状況からすれば弾劾審判の結果が先に出そうですが、憲法裁判所の決定が刑事裁判に本当に影響を及ぼすのですか?

【早わかり】尹錫悦弾劾審判の今後の日程と展望

 (記者)

 二つの裁判は非常戒厳令事態を共通分母とするため、弾劾審判が認容されれば刑事裁判にもかなり影響を及ぼすとみられます。ただし刑事裁判では証拠の判断を非常に厳格に行うため、たとえ憲法裁判所が弾劾を認容しても、裁判所が異なった結論を出す可能性もあります。

 (アンカー)

 逆に憲法裁判所が弾劾を棄却すれば、刑事裁判でも無罪になりますか。

 (記者)

 自動的に連携するわけではありません。憲法裁判所の宣告は刑事裁判に直接の影響を及ぼすものではなく、内乱罪が立証されるかの判断も別です。ただし憲法裁判に比べてはるかに厳格な事実関係の確認を要求する刑事裁判で内乱罪が認められるのはさらに難しいかもしれません。

 張永洙(チャン・ヨンス)/高麗大学法学専門大学院教授

 「(憲法裁判所で)認定されなかったとなれば、さらに厳格な証拠により裁判を行う刑事訴訟で認定される可能性は取りあえず論理的には低くなります」

 (アンカー)

 二つの裁判の争点はほとんど重なっていますね。またこれまで憲法裁判所で出た重要な関係者の証言が検察での聴取と異なっていたケースも多かったですね?。

 (記者)

 はい。弾劾審判の重要な証人は検察で供述した内容と違った証言を行ったケースが少なくありません。金竜顕(キム・ヨンヒョン)元長官は国会議員ではなく「要員」を引きずり出せという趣旨だったと証言しました。

 宋津鎬(ソン·ジンホ)/尹大統領の代理人(1月23日)

 「要員を引きずり出せと言ったのは金炳周(キム・ビョンジュ)国会議員が『議員たち』を引きずり出せという形に変えたのですね?」

 金竜顕/元国防長官(1月23日)

 「はい、そうです」。李鎮遇(イ・ジンウ)元首都防衛司令官も逮捕指示を受けたことはないと証言しました。

 宋津鎬(ソン·ジンホ)/尹大統領の代理人(2月4日)

 「誰かを逮捕せよとの指示を受けた事実はありますか?」

 李鎮遇/元首都防衛司令官(2月4日)

 「ありません。それについてはこれ以上話しません」

 これを理由に尹大統領の弁護団は検察調書の証拠能力を認めるとする憲法裁判所に対して不満を表出しました。

 尹錫悦大統領(2月11日)

 「調書に記載された内容とわれわれが実際にここで聞いた証言があまりに懸け離れているのは…」

 (アンカー)

 では刑事裁判では尹大統領と主要な関係者の証言がさらに重要になりますね」

 (記者)

 はい、刑事裁判では2020年に改正された刑事訴訟法第312条により、本人と共犯の検察での取り調べが自分たちに不利であれば、証拠の採択に反対できます。実際に李在明(イ・ジェミョン)代表は偽証教唆事件で偽証を行った張本人であるキム・ジンソン氏の被疑者尋問調書に同意しませんでした。

 (アンカー)

 もし憲法裁判所が弾劾を決め、後から刑事裁判で無罪となればどうなりますか?

 (記者)

 大きな影響は避けられないでしょう。内乱容疑に対して裁判所が無罪と判断したとしても、憲法裁判所の弾劾決定は覆すことはできないからです。もちろん憲法裁判と刑事裁判は完全に別ですが、国民の憲法裁判所に対する信頼は傷つくしかありません。そうなれば1987年の憲法改正で誕生した憲法裁判所が危機に直面する恐れもあります。

 (アンカー)

 弾劾審判の結果により尹大統領の拘束状態も影響を受けますか?

 (記者)

 もしその時まで尹大統領が拘束状態で裁判を受けたとすれば、裁判所も保釈や拘束取り消しの判断に反映させる可能性が高いです。

 (アンカー)

 はい、チョン記者、ありがとうございました。

(2025年2月16日放送 TV朝鮮『ニュース7』より)

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