▲イラスト=UTOIMAGE

 保育園で保育士をだまし、別居中の子を連れ去ったとして父親が未成年者略取罪で起訴された裁判で、韓国大法院がこのほど、父親の上告を棄却し、懲役3月の判決が確定していたことが11日までに分かった。

被告の父親は離婚訴訟を控えて妻と別居していた2022年4月、妻と暮らしていた1歳と2歳の子を保育園から連れ去った。父親は保育士に「子どもの母親と一緒に花見に行く」とうそをついた。

 裁判の争点は二つあった。 養育権のある実父を未成年者略取罪を問うことができるか、子ども本人ではなく、保育士をだました場合でも未成年者略取罪を適用できるかどうかだ。未成年者略取罪は「未成年者をだますかそそのかして連れ去り、『保護された状態』を侵害した場合」成立するというのがこれまでの大法院の判例だ。

 父親は裁判の過程で、自分の子は幼くて意思能力がないため、「略取」の対象とはならず、罪は成立しないと主張した。しかし、一審は父親に懲役6月を言い渡し、「子に意思能力がない場合、保護権を委任された保育士を欺き連れ去ることも略取に該当する」とし、「保護者(実父)であっても、未成年者略取罪の主体になり得る」と指摘。二審も一審の判断を踏襲した。ただ、一審判決後に離婚調停が行われ、経済的理由などにより、父親が子育てを行うことになった点などを考慮し、懲役3月に減刑した。

 大法院は「両親が離婚したか別居した状況で、両親の片方が未成年の子を平穏に保護・養育していて、もう片方の親が未成年者や保護者をだまして子を連れて去った場合、未成年者略取罪が成立する」として父親の上告を棄却した。

キム・ウンギョン記者

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