裁判
蔚山市長選介入疑惑、宋哲鎬前市長らの無罪確定
文在寅(ムン・ジェイン)政権の青瓦台(大統領府)による蔚山市長選挙介入事件で起訴された宋哲鎬(ソン・チョルホ)前蔚山市長(共に民主党)と黄雲夏(ファン・ウンハ)国会議員(祖国革新党)の無罪が14日、大法院で確定した。大法院は公職選挙法違反の罪で起訴された2人に無罪を言い渡した高裁判決を不服とする検察側の上告を退けた。
【懲役3年→無罪】なぜ判断が変わったのか
問題の事件は2018年の統一地方選当時、青瓦台が文在寅元大統領の長年の友人で共に民主党の蔚山市長候補だった宋前市長を当選させるため、組織的に選挙に介入したとされるものだ。宋前市長の選対で競合候補だった当時現職の金起炫(キム・ギヒョン)元蔚山市長に関する不正の情報を集め、青瓦台に金元市長を標的とする捜査を依頼し、青瓦台がそれに基づき、「犯罪諜報書」を作成し、蔚山地方警察庁(現蔚山警察庁)に捜査を指示したとされる疑惑だった。当時黄議員は蔚山地方警察庁長として金元市長を捜査し、市長選では宋前市長が当選した。
一審は2023年、宋前市長と黄議員を有罪とし、それぞれ懲役3年を言い渡した。しかし、今年2月に二審は「有罪の疑いがあるのは事実だが、裏付けるだけの証拠がない」として無罪を言い渡した。高裁は「捜査依頼があったという選対関係者の証言は信ぴょう性がなく、犯罪諜報書は世論動向の把握など民政秘書官室の業務慣行に従ったものである可能性を排除するのは困難だ」と指摘した。検察が上告したが、大法院は「高裁の無罪判断に誤りはない」として判決を確定させた。
キム・ウンギョン記者