【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル市の新たな水上の交通手段として期待される「漢江バス」の正式運航開始を翌日に控えた17日、汝矣島の船着き場で就航式が開催された。

 漢江バスは汝矣島、狎鴎亭、蚕室など七つの船着き場、28.9キロの区間を結ぶ環境に優しい水上交通機関として注目を集めたが、事業の推進過程では紆余曲折もあった。

 2023年3月に事業計画が発表されたが、アクセス面や事業性への懸念を理由に反対する声も上がった。船舶の建造が遅れたことで運航日程は3回延期され、論争を呼んだ。

 通勤用交通手段としての競争力は未知数だが、ソウル市は漢江バスが単なる乗り物の枠を越え、市民の日常に余裕をもたらす空間になると説明する。

 漢江バスの最大の特徴としては、ソウルの観光名所を一望できる大型の窓が挙げられる。

 船内にはカフェテリアを設け、コーヒーやベーグルなどの軽食を提供する。自転車置き場(20台)や車いす席(4席)も備えている。

 汝矣島~狎鴎亭区間では米動画配信大手、ネットフリックスのアニメーション映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」の代表的な背景として登場するNソウルタワー、玉水~トゥクソム区間では劇中でアイドルグループのHUNTR/X(ハントリックス)と悪霊が対決した清潭大橋の全景が楽しめる。

 日没後の汝矣島~トゥクソム区間は、汝矣島公園の上空に浮かぶ気球「ソウルダル」をはじめ、63ビルや漢江鉄橋、セビッ島、ノドゥル芸術島、盤浦大橋の噴水ショーなど華やかな夜景が広がる。

 七つの船着き場にはコンビニエンスストアやカフェのほか、フライドチキン店や即席麺の体験ゾーンなどが設けられている。また、ペット同伴可能なカフェやLPレコードを聞きながらコーヒーやビールが楽しめる店もある。

 呉世勲(オ・セフン)市長は就航式で「漢江バスはソウルが提案する新たなライフスタイル」とし、「川の上だけでなく、それぞれの船着き場も文化とトレンドが調和する一つの広場になるだろう」と強調した。

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