▲親与党系のユーチューバー、金於俊氏/写真=ニュース1

 金融監督院(金監院)の労組員たちが韓国政府の組織改編案に反対する中、ユーチューバー、金於俊(キム・オジュン)氏の「不満なら辞めろ」発言まで加わり、反発が強まっている。金監院労組員で構成された非常対策委員会は、保守系野党「国民の力」に所属する尹漢洪(ユン・ハンホン)政務委員長と9月15日に会って改編案の再検討を要請したのに続き、国会で討論会と集会も開く。

【写真】李粲珍金融監督院長

 韓国政府は9月7日、金監院を分離して金融消費者院(金消院)を新設し、金監院と金消院を公共機関に指定する組織改編案を発表した。ユン・テワン金監院非常対策委員長は、尹漢洪委員長に「政府改編案は金監院を公共機関に指定するなど、『官治金融』を強化している」という内容の書簡を届けた。金監院改編関連法案は国会政務委の所管だ。進歩(革新)系与党「共に民主党」は、国民の力が改正案に反対する場合、関連法を「迅速処理対象(ファストトラック)」に指定する計画だ。この場合、国民の力の同意がなくても6カ月後に法制司法委を経て本会議への上程が可能になる。

 金監院非常対策委は、政府組織法改正案に反対する内容の討論会(17日)に続き、18日には国会前集会も予告した。一部の職員は、大統領室近くや国会前で個別に「1人デモ」にも突入した。金監院の職員たちは毎朝、ロビーで「喪服デモ」を行って「およそ30年前のアジア通貨危機より前に回帰する構造的退歩」と反対している。

 金監院の職員たちは特に、親与系のユーチューバー、金於俊氏の発言を糾弾している。金氏は9月12日に自分の配信で、金監院職員たちの反発について「あの方々の立場から、不満には納得するが、退社処理して希望通りにやってもらうのがいいと思う。全員、みんな退社してもらって、新たに選ぶべき」と発言した。

 配信の直後、金監院職員が集まる匿名掲示板では金氏を批判する書き込みが相次いだ。ある職員は「金融消費者保護について専門家でもない金氏が何の資格で『嫌なら黙って辞めろ』と言えるのかと、落胆する」と書き込んだ。別の職員は「それでなくとも待遇が良くないから、ライセンス(専門的資格証)のある人の応募率がますます落ちているのに、これでは『来るな』と棺おけにくぎを打つレベル」と語った。金融公企業よりも待遇が低くて金融業界への就職制限など公務員に準ずる規制を受ける中でも、使命感を持って働いてきた職員全体を、金氏が罵倒した―という趣旨だ。

 朴成訓(パク・ソンフン)国民の力首席スポークスマンは「生計と未来が懸かっている職員たちに(金氏が)『辞めろ』という残忍な暴言を投げ付けたことは、国民に向かって『苦しかったら生きるのをやめろ』と言うのと変わらない」「金氏の知性なき発言は憤怒を通り越して、見るに忍びないという思いすら抱く」とコメントした。

ヤン・ジヘ記者

ホーム TOP