政治総合
共に民主党、違憲濃厚「内乱専門裁判部設置法案」提出
韓国与党・共に民主党は18日、内乱・金建希(キム・ゴンヒ)・海兵隊の三大特別検察官裁判を専門に扱う内乱専門裁判部設置法案を提出した。共に民主党は今年7月にも「内乱特別裁判部設置法案」を提出したが、違憲との指摘を受け内容を修正し今回再び提出した。これに対して法曹界からは「司法の独立性侵害は解消されていない」との批判が相次いでいる。
今回の法案は三大特別検察官裁判をそれぞれ担当する専門裁判部をソウル中央地裁(一審)とソウル高等裁判所(二審)にそれぞれ三つずつ、合計六つの裁判部を設置するというもの。各裁判部は大法院(最高裁判所に相当)の候補者推薦委員会が推薦した判事から大法院長が任命する。この候補者推薦委員会は韓国法務部(省に相当)が1人、裁判所判事会議が4人、大韓弁護士協会が4人推薦し合計9人で構成される。今年7月に提出された内乱特別裁判部法では国会が候補推薦委員3人、判事会議が3人、弁護士協会が3人を推薦するとしていた。共に民主党特別検察官対応特別委員会の全賢姫(チョン・ヒョンヒ)委員長は「推薦委員会の構成から国会が排除されるので、違憲との指摘は当たらない」と主張している。
これに対して法律の専門家や学者などからは「立法府(国会)ではなく行政府(法務部)が裁判部の構成に関与することも違憲の可能性が高い」と指摘する。学者からは「特定の人物や事件を処理するため裁判部を任意で設置することは憲法が定めた司法府の人事権を揺るがし、裁判の公平性にも反する」と批判の声が出ている。今回の法案が施行されれば、今年4月から池貴然(チ・グィヨン)部長判事が裁判長を務めるソウル中央地裁刑事合意25部の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領らによる内乱事件の裁判は専門裁判部に引き継がれる。
ソウル中央地裁は同日、三大特別検察官事件の迅速かつ公正な裁判に向けた支援策を取りまとめたことを明らかにした。その内容は「内乱裁判を担当する刑事合意25部に裁判官1人を追加で配置する」というもの。裁判所行政処には刑事合意部増設に向けた裁判官の増員も要請した。与党が進める専門裁判部の立法圧力に裁判所として対応に乗り出したとみられる。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、シン・ジイン記者