裁判
共に民主現金入り封筒ばらまき事件、李成万・元議員に逆転無罪 ソウル高裁
現与党・共に民主党党大会に絡む「現金入り封筒事件」で起訴された李成万(イ・ソンマン)元国会議員(無所属、元共に民主党)に対し、二審のソウル高裁は19日、逆転無罪の判決を言い渡した。一審で李元議員は政党法・政治資金法違反の罪で懲役9カ月(執行猶予2年)の有罪判決を受けていた。
【写真】李成万元国会議員(元共に民主党)/ニュース1
李元議員は民主党党大会を控えた2021年4月、当時の宋永吉(ソン・ヨンギル)党代表候補(現ソナム党代表)の支持集会に参加し、尹官石(ユン・グァンソク)元国会議員から300万ウォン(約31万8000円)入りの封筒を受け取ったとして起訴された。同年3月、宋代表の党内選対に外部からの選挙資金1100万ウォンを渡した疑いも持たれていた。
一審は李元議員の起訴事実を全て有罪と判断した。しかし、二審は一審が有罪の証拠とした李炡根(イ・ジョングン)元民主党事務副総長との電話録音ファイルを「違法に収集された証拠」と認定し、李元議員に無罪を言い渡した。
検察は2022年、李元議員個人のあっせん収賄事件を捜査する過程で携帯電話3台を押収し、そこに含まれていた電話録音ファイルに現金入り封筒の配布状況が含まれていた。検察は李元議員から「携帯電話の情報を範囲制限なしに他の事件の証拠として使ってもよい」という同意を得て、現金入り封筒事件の捜査を始めたと主張した。
しかし、二審は「李元議員が当時に受けていたあっせん収賄容疑の捜査と関係のない情報まで提出したとは見なせない」とした。また、「検事はあっせん収賄容疑と関係がない別の犯罪容疑に対しては、別途捜索令状が交付されなければならなかったにもかかわらず、李元議員の携帯電話を引き続き保管し、裁判の証拠として提出した」とし、「これは令状主義と適正手続きの原則に違反したものだ」と判断した。裁判に出廷した他の人物の法廷陳述も違法に収集された電話録音ファイルに基づいてなされたものとみて、全て証拠から除外した。
今回の判決は「李炡根録音ファイル」の証拠能力を認めた別の現金入り封筒事件の判決とは異なる。現金入り封筒を準備したとされた尹元議員の裁判では、一審と二審で問題の録音ファイルが適法な証拠とされた。尹元議員は昨年10月、大法院で懲役2年が確定した。
キム・ウンギョン記者