裁判
妻子を乗せた車で海に突っ込み無理心中、自分だけ脱出した夫(49)に無期懲役 光州地裁
光州地裁は19日、全羅南道珍島郡で乗用車で海に突っ込み、妻と息子2人を乗せた死亡させたとして、殺人と自殺ほう助の罪で起訴された夫(49)に無期懲役の判決を言い渡した。
夫は今年6月1日午前1時12分ごろ、珍島港で乗用車を海に突進させ、同乗していた妻(49)と高校生の息子2人を死亡させ、自分だけ脱出したとして起訴された。
【写真】珍島港で引き揚げられた乗用車
当時被告は生活苦を理由に妻と心中を決心した。借金は2億ウォン(約2120万円)に達していた。工事現場の班長として働き、自分が管理した日雇い労働者に支払えなかった3000万ウォンの未払い賃金問題も抱えていたという。
被告は犯行前、家族に疲労解消剤と睡眠剤を飲ませた。しかし、被告自身は運転席の窓から一人で脱出。犯行直後に光州市に逃走し、警察に逮捕された。
光州地裁は「息子らは命を失う瞬間まで最も愛した両親が自分たちを殺害したとは考えられなかったはずだ」とし、「いかなる理由でも容認できない重大な犯罪だ」と判決理由を説明した。
担当裁判長は「倫理に反し、他人の生命を侵害する犯罪に対しては応分の制裁を与え、必ずその代償を払うことになるという原則を明確にすることで、こうした犯行が再び起きないようにしなければならない」と涙声で発言した。
被告は裁判の過程で酌量を求める意見書と嘆願書を提出し、法廷で叱責を受けた。裁判長は当時、「119番通報をしてでも家族を助けようとすべきだったのではないか。自分は元気に生きているのに、善処を望むのか」と指摘した。また、「嘆願書を書いた人たちはどういう神経をしているのか」と疑問を呈した。
光州=チン・チャンイル記者