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国連安保理9月議長国・韓国、対イラン制裁停止決議の採決を棄権「さまざまな要因を考慮」
【NEWSIS】イラン核開発に対する制裁を巡る国連安全保障理事会の採決で韓国は棄権したが、これについて韓国外交部(省に相当)は「複数の要素を多角的に考慮した」と説明した。
韓国外交部当局者は21日「わが国は9月の国連安保理議長国としてイラン核問題の平和的・外交的解決を支持する立場に基づき、複数の要素を多角的に考慮して採決を棄権した」と明らかにした。
【グラフィック】米国によるイラン核施設の空爆
この当局者は「安保理議長国として最大限公正かつ客観的に役割を果たした」「議長国を務める9月はこの事案について必要な役割を忠実に実行していきたい」との考えも示した。
安保理は19日(現地時間)に米ニューヨークの国連本部でイランに対する制裁の再発動(スナップバック)中断を求める決議案を採決し、賛成4票、反対9票で否決した。
中国、ロシア、パキスタン、アルジェリアの4カ国が賛成したが、米国、フランス、英国など西側の理事国による反対がこれを上回った。議長国として採決に臨んだ韓国は棄権した。
採決は英国、フランス、ドイツの欧州3カ国(E3)が2015年に採択されたイラン核合意(JCPOA、包括的共同行動計画)に伴うスナップバック発動を求めたことで行われた。スナップバックとはJCPOAに基づきイランが非拡散の重大な義務違反を犯した場合、自動的に制裁を発動するシステムだ。
第1次トランプ政権当時の2018年に米国がJCPOAを一方的に離脱したため、イランはその対抗策としてウラン濃縮をさらに進めた。第2次トランプ政権発足を受け新たな交渉も始まったが成果は出ず、今年6月に米国がイランの核施設を攻撃した後も対話は進展しなかった。この状況でE3は先月28日にスナップバック発動手続きを本格的に開始した。
今回の否決でこれまで中断していた国連の対イラン制裁は安保理理事国による協議が行われない限り、韓国時間の29日午前9時から再発動する。