事件・事故
国交省聴聞会に出席した韓国土地住宅公社職員、遺体で見つかる 烏山擁壁崩壊事故
今年7月の集中豪雨で擁壁が崩れ、付近を走行中だった乗用車のドライバーが亡くなった「烏山擁壁崩壊事故」。この事故で聴聞会に出席していた韓国土地住宅公社(LH)の職員が9月初めに自ら命を絶っていたことが、最近になって判明した。
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慶南晋州警察署によると、9月1日午前1時ごろ、晋州市の山中で50代のLH職員Aさんが亡くなっているのが見つかったという。同署が23日に明らかにした。LHは、事故が発生した京畿道烏山市の佳長交差点高架道路の発注元だ。
Aさんは亡くなる前の1日午前0時10分ごろ、同僚職員たちに「烏山の擁壁工事のせいで孤独になり、つらい」という内容のショートメールを送っていたことが分かった。ショートメールを受け取った同僚が警察に通報し、出動した警察官が捜索を行った結果、亡くなっているAさんを発見した。
Aさんは、2006年から12年にかけて問題の擁壁を含む西部迂回(うかい)路陽山-佳長区間(4.9キロ)が施工された当時、現場工事監督を担当していた幹部級の職員だという。この道路はLHが発注し、現代建設が施工を引き受けた。
Aさんは8月28日、国土交通部(省に相当)中央施設物事故調査委員会の聴聞会に出席して崩壊事故に関連した陳述を行い、資料の提出も要求された。当時、聴聞会にはAさんを含むLH職員6人と現代建設および烏山市の関係者も多数出席していた。なお、Aさんは捜査対象には挙がっておらず、警察から出頭要求は受けていなかったという。
晋州警察署は、Aさんが残したショートメールなどを基に、Aさんが自ら命を絶ったものとみて、今月16日に事件を終結させた。
一方で警察は、擁壁崩壊の原因として道路の維持・補修だけでなく施工の過程に問題があった可能性を念頭に置き、捜査を続けている。
ソ・イルウォン記者