【TV朝鮮】(アンカー)

 韓国大統領室は「北朝鮮の『二つの国家論』を認めるものではない」と言っています。」しかし、韓国統一部(省に相当)の鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官が公の場で「南北は事実上、二つの国だ」と発言し、騒動になっています。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の「二つの国家論」に歩調を合わせたことになりますが、「韓国史の教科書を書き直さなければならないほどの違憲発言だ」との指摘もあります。イ・チェヒョン記者がお伝えします。

【写真】「南北二つの国家論」を主張する鄭東泳統一長官

 (記者リポート)

 統一部の鄭東泳長官は同部主催のセミナーで、「南北関係に対する実用的なアプローチが必要だ」とした上で、「南と北は事実上、二つの国という形態で存在してきた」と言いました。

 南北が国連に別々に加盟していることや、歴代政権の統一案の第二段階が二つの国であることを前提にしている、という主張です。

 (鄭東泳統一長官)

 「国連に同時加盟し、国際法的に見て、国際社会において、国際政治的に二つの国であり、今も二つの国です」

 北朝鮮の敵対的「二つの国家論」に対し、平和的「二つの国家論」を提示したわけですが、「二つの国」自体を認められるという点で、「二つの国であることを支持したり、認めたりする見解ではない」という魏聖洛(ウィ・ソンラク)大統領室安全保障室長の発言と食い違っています。

 しかも、「金正恩総書記の主張と事実上、同じではないか」という批判の声もあります。

 (北朝鮮 朝鮮中央テレビ 金正恩総書記の演説〈22日〉)

 「我が国と大韓民国は過去数十年間、国際社会において事実上、二つの国として存在してきました」

 韓国政府傘下機関である統一研究院の金千植(キム・チョンシク)院長は「鄭東泳統一長官の『二つの国』発言は韓国憲法の趣旨にそぐわない違憲発言だ」と指摘しました。

 (統一研究院の金千植院長)

 「二つの国になったら、韓民族の永久分断になるのです。韓国史を書き直さなければならないし、憲法にもそぐわない非常に不適切な言及でした」

 こうした中、休戦ライン近くの飛行禁止区域内で北朝鮮へのビラ散布を禁止する航空安全法改正案が韓国国会の国土交通委員会小委員会で与党・共に民主党の主導により単独処理されました。

 「これは『北朝鮮を刺激しない』という現政権の基本路線によるものだ」とする見方が出ています。TV朝鮮、イ・チェヒョンがお伝えしました。

(2025年9月24日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)

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