国際総合
学歴より犯罪歴!? 中国大手スーパー「胖東来」の前科者採用が物議
中国の大手流通企業が、前科者を対象とした採用に乗り出し、物議を醸している。
中国の上観新聞や観察者網など現地メディアが9月25日(現地時間)、報じた。それによると、有名大手スーパーマーケット・チェーン「胖東来(パンドンライ)」は最近、新規採用を実施するとして、募集人員1000人のうち2%の定員を前科者に割り当てると発表した。
【写真】「胖東来」を創業した于東来会長
9月17日、刑期を終えて出所した前科者を対象に面接試験を実施した結果、面接対象者30人が全員合格した。当初採用予定だった20人よりも10人多く採用したのだ。合格者らは6カ月の試用期間を経ることになる。
面接会場には、胖東来を創業した于東来会長が姿を見せ、応募者たちを激励した。
于会長は「過去の行為に対する代償を既に支払ったのだから、他の人よりも劣っていると感じる必要はない」「とにかく頑張ればいいのだ」と呼びかけた。
胖東来は今回の採用の趣旨について「前科者たちが社会に復帰し、より良い人生を送れるよう支援したい」と説明した。最初は軽犯罪の前科者から採用し、ゆくゆくは重犯罪の前科者にもチャンスを拡大する方針だ。
ところが、このニュースが伝わると、中国現地では賛否両論が渦巻いた。
インターネット上では「前科者にも平等にチャンスが与えられるべきだ」「前科者もやり直す機会が必要」などと胖東来の趣旨に共感する意見が見られる一方で「罪を犯していない人々のチャンスを奪った」「刑務所を経験しないことが劣っているという状況になった」「于東来は大学の代わりに刑務所に行ったからこうなんだ」などと批判的な反応も相次いだ。于会長は若いころ、たばこの違法販売で収監された前歴があるという。
特に、最近は中国の若者たちが深刻な就職難に悩まされていることもあり、批判的な意見が多数見られた。
于会長は、中国・河南省許昌市で大手流通企業「胖東来」を設立し、同社を急成長させる過程でユニークな発言で有名になった。
于会長は今年1月「結婚生活が不幸で、相手が離婚を求めている場合、同意しなければならない」「月給よりも多額の金を他人に借りてはならない」など、全ての役員・従業員が順守すべき新たな経営規則7項目を紹介した。
昨年11月には「結婚式は簡素にすべきで、これに背いた場合は関連の福利厚生を取りやめる」と発表し「会社が社員のプライベートを侵害している」と批判された。
キム・ジャア記者