▲写真=UTOIMAGE

 英国のグローバル大学評価機関QS(Quacquarelli Symonds)が2025年のアジア大学ランキングを発表し、香港大が中国やシンガポールの大学を抑えて1位になった。香港の大学が1位になったのは2013年(香港科技大)以来、12年ぶりだ。韓国の大学は全体的に順位を落とし、2021年以降で初めてトップ10に1校もランクインしなかった。

【QSアジア大学評価】国別比較 ランキングトップ100入り大学数(2024年)

 QSが4日に発表したアジア大学ランキングによると、香港はトップ10に5校が名を連ねた。香港科技大(6位)、香港城市大・香港中文大(共に7位)、香港理工大(10位)がランクインした。香港の大学は学界での評価、国際的な研究協力、外国人の教員・学生の比率といった項目で最高点を獲得した。QSは今年、25カ国・地域の大学1529校を対象に順位を付けた。

 一時はシンガポールと中国の大学に比べて劣勢だった香港の大学が、再びアジア1位になったのは、政府の全面的な支援と規制緩和のおかげだと分析されている。香港政府は2023年、海外から権威ある研究者を招聘(しょうへい)するために「トップ・タレント・パス・スキーム(TTPS)」などの人材誘致政策を積極的に導入した。TTPSは、マサチューセッツ工科大(MIT)など世界トップ100の大学出身者に対し、7年間居住後に永住権とパーマネントID申請の資格を与える制度だ。施行から2年で学生・研究者・教授およそ10万人が香港に移住したと香港特別行政区政府が最近明らかにしている。さらに先ごろ米国のトランプ政権がハーバード大の外国人留学生受け入れ資格を取り消して以降、香港は外国人留学生の誘致に積極的に乗り出し、その結果約300人を受け入れることに成功した。

 漢陽大融合電子工学部の朴在勤(パク・チェグン)教授は「1997年に香港が中国政府に返還された直後、現地の教授らが多数、海外の大学に流出し、研究に大きな空白が生まれたが、最近は政府の集中的な支援に加え、英語が使える国際化都市という強みをアピールして、A級の人材を大量に確保している」と述べた。

 中国は北京大が昨年の1位から2位にランクダウンしたものの、復旦大(5位)、清華大(9位)を合わせて3校がトップ10に入り、依然として強さを見せた。シンガポールは南洋理工大とシンガポール国立大の2校が共に3位でトップ10に入った。台湾は国立台湾大(23位)が昨年より3ランク上昇し、5ランクダウンした日本の東京大(26位)を上回った。さらに国立清華大(37位)と国立陽明交通大(41位)も前年より順位を上げた。

 韓国は、昨年9位で唯一「トップ10」入りした延世大が11位に下落するなど、かなりの大学が順位を下げた。順位が付けられた全103校のうち53校が昨年よりランクダウンした。

 特に韓国の大学は、研究力の項目で振るわなかった。教授がどれほど活発に研究を行っているかを評価する「論文1本当たりの被引用数」項目で、上位100位までに入ったのは、蔚山科学技術院(UNIST、21位)、世宗大(23位)、浦項工科大(POSTECH、80位)、高麗大(98位)、大邱慶北科学技術院(DGIST、100位)の5校だけだった。ソウル大はこの項目で、昨年の148位から89ランク下落して237位となった。中国が「論文1本当たりの被引用数」で100位内に48校も名を連ねたのとは対照的だ。これは、17年にわたって続いてきた授業料凍結政策や政府の支援不足などにより、優秀な研究者が企業や海外の大学に大量に流出した結果と分析されている。ソウル大の洪性旭(ホン・ソンウク)教授(科学学科)は「多くの大学で財政状況が非常に厳しく、在籍教授が海外へ移るのを阻止するためのカウンターオファー(引き止め交渉)すら難しい」として「長期にわたる大学授業料凍結の問題などを改善しない限り、香港や中国の大学のように優秀な人材を確保するのはますます困難になるだろう」と述べた。

 QSシニア・バイス・プレジデントのベン・ソーター氏は「韓国は周辺各国の大学に追い付かれた状況」だとして「学齢人口の減少などに備え、海外から教授や留学生を積極的に誘致する努力が必要だ」と指摘した。

チェ・インジュン記者、キム・ミンギ記者

ホーム TOP