▲延世大学新村キャンパス/ニュース1

 延世大学のある講義の試験で大規模な不正行為が発生し学内で衝撃が走っている。その多くがチャットGPTなど生成AI(人工知能)が使われたとみられ、大学でのAI倫理が改めて課題として浮き彫りとなった。

 複数の大学関係者が9日に明らかにした。それによると延世大学新村キャンパスの3年生の講義「自然言語処理(NLP)とチャットGPT」の担当教授が先日「不正行為が数多く発見された」とした上で、摘発した学生の中間試験の点数を全員0点にすると学内で通知した。この講義は約600人が受講しており、試験は10月15日にオンラインで行われた。

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 試験はあるサイト上で客観形式で行われ、試験中に学生は顔と手が見える動画を撮影し提出することになっていた。ところが一部の学生がカメラの角度を調整し、複数のプログラムを重ねる手口でカンニングを行ったという。担当教授はカンニングした学生に自ら名乗り出るよう呼び掛けている。

 カンニング学生の正確な人数は公表されていないが、学生らの間では「半分以上がカンニングしていた」などの見方が広がっている。大学生が集まる掲示板「エブリタイム」では353人の回答者のうち190人がカンニングしたと回答した。

 カンニング学生のほとんどは試験中にAIを使ったようだ。この講義を受講するある学生(25)は「ほとんどがチャットGPTを使っている。自分だけ使わなければ単位が取れないと思った」と述べ、以前に同じ講義を受講した学生も「たくさんの学生がAIで調べながら試験を受けた」と伝えている。

 AIが大学などに深く浸透し3年が過ぎたが、大学の対応は今も不十分だ。韓国職業能力研究院が四-六年制大学の726人の学生を対象にアンケート調査を行ったところ、91.7%がレポートや資料の検索にAIを使ったことがあると答えた。これに対して韓国大学教育協議会の調査では全国131の大学のうち71.1%は現時点で生成AI使用のガイドラインを作成できていないという。

イ・ギョンタク記者

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