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 娘が通う慶尚北道安東市内の高校に侵入し、中間試験・期末試験の問題用紙を繰り返し盗んでいたことが発覚した40代の女に対し、検察は懲役8年を求刑した。

【写真】試験問題を盗んでいた母親と元臨時教諭

 26日、大邱地裁安東支部刑事第1単独(孫永彦〈ソン・ヨンオン〉裁判長)の審理で開かれた特殊窃盗罪および夜間住居侵入窃盗罪などを巡る裁判で、検察は起訴された母親(48)に懲役8年を求刑した。

 また、母親と犯行を共謀し、犯罪行為をほう助した罪(特殊窃盗罪および夜間住居侵入窃盗罪など)で起訴された臨時教諭(31)には懲役7年と追徴金3150万ウォン(約330万円)を、学校事務室長(37)には懲役3年を求刑した。

 盗まれた試験問題で勉強した娘にも懲役刑が求刑された。検察は違法に持ち出された試験問題であることを知りながら試験を受けた疑い(偽計業務妨害罪)で起訴された高校3年生の娘(18)に対して少年法を適用し、最長3年―最短2年の刑を求刑した。

 検察は「母親は娘に対するゆがんだ愛情から罪を犯したが、捜査過程で犯行を否定し、証拠を隠滅した」と求刑理由を述べた。

 さらに、臨時教諭に対しては「生徒を正しい道に導く教師という立場にあるのにもかかわらず、3年間にわたり試験問題を毎回盗み、3000万ウォン(約320万円)を受け取っていた」と指摘した。

 母親は最後の陳述で「私が犯した罪により被害を受けた学校と保護者の皆さまにおわび申し上げたい。子どものためという大義名分の下で、娘に対するゆがんだ愛情により罪を犯した。娘を法廷にまで立たせてしまった母親だが、再び娘と生きていけるよう、寛大なご処置をお願いしたい」と訴えた。

 娘も「今回の事件で被害を受けた全ての方々に心よりおわびする。私と一緒に一生懸命勉強していた友人たちを傷つけてしまい、申し訳ない」と述べた。

 捜査当局によると、母親は臨時教諭と共に2023年から最近まで10回にわたり、娘が在学している安東市内の高校に無断で侵入し、中間試験・期末試験問題を盗んだとされている。

 娘は盗まれた試験問題を見た後に試験を受けたため、高校の内申評価で毎回、全校1位だったとのことだ。

 今年9月15日、この「安東試験問題流出事件」第2回公判で、母親をはじめとする被告人4人は裁判所に減刑を求める手書きの反省文を提出していたことが確認された。母親は12回、臨時教諭は9回にわたって反省文を提出し、事務室長と娘もそれぞれ1回ずつ反省文を提出していた。

 母親らの犯行は期末試験評価期間だった今年7月4日、私設警備システムが誤作動したしたことにより発覚した。

 母親らに対する判決公判は来年1月14日午後2時に開かれる予定だ。

安東=クォン・グァンスン記者

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