▲シン・ジュファンさん

 映画『パラサイト 半地下の家族』や動画配信サービス「ネットフリックス」のドラマ『イカゲーム』などの世界的大ヒット以降、米ハリウッドで韓国人俳優のキャスティング需要が増えている、と外信で報道された。

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 AP通信は18日(現地時間)、「韓国のエンターテインメントが世界的に成功して以降、さらに多くの韓国人俳優がハリウッド・ドリームを追い求めている」という見出しの記事で、最近活発になっている韓国人俳優たちの米国進出の動きに注目して取り上げた。この記事によると、イ・ビョンホンやパク・ヘスなどの有名俳優たちは韓国と米国の両方にエージェントがいるという。だが、大手芸能事務所のサポートがない俳優たちの場合、ロサンゼルスに本社がある「アップステージ・エンターテインメント」などの会社が橋渡し役をしているとのことだ。

 アップステージ・エンターテインメントの共同創業者アリソン・ダンベル氏は「これまでの欧米の作品で一般的だった『東アジア人』役よりも、『具体的な韓国人の登場人物』に対する需要が増加傾向にある。このような変化の一因は、韓国作品の世界的な人気がきっかけだ」と語った。ただし、依然としてステレオタイプ(固定観念)もあるとした上で、「一番腹が立つのは変わり者の技術プログラマー役だ。(韓国人)俳優たちが非常に多彩な演技力を持っていることを知っているから、そのような役には最初から推薦しない場合もある」と言った。

 また、AP通信はハリウッド進出を現在模索中のシン・ジュファンさんなど、複数の俳優の実例を紹介した。『イカゲーム』シーズン2とシーズン3で仮面をかぶった兵士役を演じたことがあるシン・ジュファンさんは「(『イカゲーム』の中の)あの短いシーンを見た人々が私の交流サイト(SNS)『インスタグラム』にコメントを書き込み始めた。あのドラマの影響力は本当にこれまでとは比べものにならないほどだった。一時は『R』の発音に気を付けて米国人のように演技しなければならないと思っていたが、今はありのままの姿で韓国人らしくしていてもいいと感じている」と語った。

 AP通信は、韓国人俳優たちが新たな道を模索するようになった背景について、韓国市場の構造的限界もあると指摘している。チャンスが与えられるのは数人のトップスターだけで、無名俳優たちの出演機会は次第に減っており、相対的に若い俳優を好むムードがあるということだ。シン・ジュファンさんも「3年前からこの業界がますます厳しくなっていると感じ始めた。韓国市場が厳しくなっているので、私も海外市場に視野を広げなければならないと思った」と告白した。

 ネットフリックスのオリジナルシリーズ『愛をこめて、キティより』に出演した俳優エイミー・ペクさんは以前、韓国でのオーディションで「二重まぶたでない」という理由でキャスティングから除外された経験を打ち明けた。それでも、「海外では私の容姿が強みになり得ることが分かった。ハリウッド進出について、最初はみんな『無理だ』『有名な俳優たちにしかできない』と言った。でも、私は自ら全てを成し遂げた。今はその経験を基に『ハリウッドは誰にでも扉を開く準備ができている』とハッキリ言える」と語った。

ムン・ジヨン記者

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