【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告を巡る不正疑惑を捜査する特別検察官チームは27日、尹政権の与党だった保守系野党「国民の力」の元代表、金起炫(キム・ギヒョン)国会議員と妻を請託禁止法違反の罪で在宅起訴した。

 

 金起炫氏夫妻は2023年3月の党代表選で金氏が当選した後、267万ウォン(約29万円)相当の仏高級ブランド「ロジェヴィヴィエ」のクラッチバッグを金建希氏に贈った疑いが持たれている。特別検察は金起炫氏が当選するよう金建希氏が後押しした見返りにバッグを贈った可能性を念頭に捜査を続けてきたが、贈った詳しい経緯は解明できなかった。

 ただ、金起炫氏夫妻が大統領の職務に関連してバッグを贈ったことまでは立証できたとみて、請託禁止法違反の罪を適用したもようだ。同法は公職者の職務に関連して、公職者の配偶者に金品を提供する行為を処罰するもので、職務との関連性が立証されれば犯罪の成立要件を満たす。

 処罰がより重い贈賄罪の場合は職務との関連性に加えて対価性を立証する必要がある。特別検察は金建希氏が代表選支援の見返りにバッグを受け取り、尹前大統領がこれを認知していたことまでは立証できなかった。このため尹前大統領夫妻の収賄容疑については警察庁国家捜査本部に捜査を移管する方針だ。

 特別検察は先月、尹前大統領夫妻の自宅からロジェヴィヴィエのクラッチバッグと共に金起炫氏の妻が感謝を記した手紙を押収した。金起炫氏は妻が金建希氏にバッグを贈ったことは認めながらも、「社会的な礼儀」の範囲内のものだとして、不正な請託はなかったと主張した。

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