社説
「国会が遅いから仕事ができない状態」 李在明大統領が言うことではない【1月29日付社説】
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が27日の国務会議(閣議)で「国会があまりに遅いので仕事ができない状態」と発言した。政権発足から8カ月になるというのに政策変化を裏付ける立法を国会がしてくれず、国政運営が難しいという告白だ。大統領の心情は分かるが、今の国会を完全掌握しているのは進歩(革新)系与党の「共に民主党」だ。野党は法案に何の影響力も行使できない「植物状態」にとどまる。国会のせいで仕事ができないという言葉は、国務委員(閣僚)にではなく民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表に言うべきだ。
【表】尹大統領「巨大野党が相次ぐ弾劾、立法暴走、予算暴挙で政府の機能をまひさせてきた」 憲法裁で弾劾審判最終弁論
そして、他の人間ならともかく、李大統領にはこの発言をする資格が無い。李大統領は民主党代表時代に、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足1年目の政府組織法をはじめ韓国政府が提出した法案77本を全て邪魔した。李大統領風に言うなら、国政を完全封鎖したのだ。当時、民主党は就任から6カ月にもならない尹大統領の弾劾を主張した。国政を担当する首相や国務委員などに対する解任建議や弾劾発議は任期中に30件を超える。国政妨害というレベルにとどまらない。
李大統領は、党代表になった後、1年にわたりずっと国会を開いたが、立法国会ではなく「防弾国会」だった。実際、国政と民生に役立つことはほとんどしなかった。李大統領の司法リスクを無くす法案、得票に役立つポピュリズム法案は押し付けながら、半導体産業の競争力強化、法人税・所得税の引き下げなど尹政権が要求した法案は徹底して無視した。大統領が拒否権を行使することをはっきり理解していながら「黄色い封筒法」、糧穀法、放送法を押し付けた。拒否権を行使したら再度通過させる、ということを繰り返した。韓国憲政史上初めて、政府予算案を一方的に削減し、野党単独で通過させたこともあった。大統領特別活動費は「0ウォン」にした。憲法裁判所が、尹・前大統領の罷免決定を下す際に「尹錫悦政権の主要政策は野党の反対で施行できなかった」と述べたのだから、よほどのことだ。憲法裁は「異例に多い弾劾訴追」「野党単独の予算減額」などを例に挙げて「国会の権限行使が国政まひを招く行為だと尹大統領が判断したことは尊重されるべき」と判示した。
大統領発言翌日の28日に、民主党は「民生法案90件を29日に本会議で処理したい」と表明した。いつでもできたことなのに、これまでやらずにいた―という話だ。これまで検察廃止、特別検察官設置、司法府弱体化など「政略型法案」にばかり没頭し、大統領が一言言うや、遅まきながら乗り出したのだ。もし大統領が国会のせいで仕事ができないと感じたのであれば、それは他の誰でもなく李大統領と民主党の責任だ。