▲29日、ソウル・汝矣島の国会で開かれた第431回国会(臨時国会)第2回本会議。写真=ニュース1

 韓国国会では29日に本会議を開き「半導体産業競争力強化および支援に関する特別法」(半導体特別法)など与野党間で争点がない法案91件を通過させた。李在明(イ・ジェミョン)大統領が27日の国務会議(閣議)で「国会が遅すぎて仕事ができない状態だ」と言ったことから、その2日後に与党主導で、これまで国会で止まっていた法案が多数処理された。政界では「結局、国会が国民の生活より政略を優先したために、とっくに成立していたはずの半導体特別法などの立法が遅れる一方だったのではないか」と批判の声が上がっている。

 与党・共に民主党が内乱専門担当裁判所設置法や第2次総合特別検察官(特検)法などを一方的に推進し、最大野党・国民の力がフィリバスター(議事進行を妨げる目的の長時間の演説)で対抗したため、昨年末から国会は事実上空転してきた。このため、常任委員会・法制司法委員会を通過した後、同日の「大量通過」前まで国会本会議で止められていた法案は計176件に達した。

 共に民主党は当初、国民の力が反対している「法歪曲(わいきょく)罪」新設(刑法改正案)、「4審制」だとの議論がある裁判訴願法(憲法裁判所法改正案)、大法官(最高裁判事)増員法(裁判所組織法改正案)などを1月中に本会議に上程・処理する方針だった。ところが、国民生活関連法案の処理が遅れていると指摘されると基本姿勢を変え、李大統領が「迅速処理」を注文した翌28日、国民の力と「非争点法案」だけを上程して処理することで合意した。このため、止められていた法案の半数以上が29日に直ちに可決された。

 ただし、「敵国」ではなく「外国」のスパイ行為に対する処罰も可能にするスパイ法(刑法第98条)改正案は同日の本会議に上程されなかった。与野党の間で意見の相違はないが、共に民主党が推進中の「法歪曲罪」などの刑法改正案と関連性があることが問題になった。共に民主党は判事・検事が法を歪曲して捜査と裁判を進行したと判断されれば、刑事処罰する条項を刑法に新設しようとしているが、国民の力は反対している。政界関係者は「争点になっている法案が争点のない法案の足を引っ張った格好だ」と話す。

 同日処理された半導体特別法は「半導体クラスター」指定と補助金支給、電力・用水など関連基盤施設の拡充、予備妥当性免除などの内容を骨子としている。経済団体は同法案が韓国半導体産業の世界における競争に役立つ「制度的基盤」になる可能性があると歓迎している。

 国民の力は半導体特別法を2024年11月に党論として発議し、李大統領も昨年の大統領選挙でこの特別法制定を「第1号公約」に掲げた。だが、「研究・開発(R&D)人材週52時間制の例外」条項を特別法に盛り込むかどうかを巡り、国民の力は賛成、共に民主党は反対したため、最初の発議から1年以上も法案が国会で止まったままになっていた。先月になってようやく、国会産業通商資源中小企業ベンチャー企業委員会で「週52時間制の例外」条項を除く内容でまず与野党が合意した。その後、法制司法委員会を経て本会議に付されたが、それから1カ月以上も本会議に上程されていなかった。

 同日の本会議ではフィリバスター時に国会議長が常任委員長らに司会権を渡すことができるようにする国会法改正案も処理された。これまでの国会法は国会議長・副議長だけに本会議の司会権を与えていた。だが、国民の力所属の朱豪英(チュ・ホヨン)副議長はフィリバスター政局で、共に民主党が一方的に処理しようとしていた法案に対し本会議の司会を拒否、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長と共に民主党所属の李学永(イ・ハクヨン)副議長が長時間司会を務めていた。フィリバスターに議事定足数(60人)を導入する条項は、国民の力や祖国革新党などの反対で除外された。

 2008年に韓国の公休日(祝日)から除外された制憲節(7月17日)を18年ぶりに祝日に再指定する「公休日法改正案」も通過した。500億ウォン(約54億円)以上の大規模国家研究開発事業に対して予備妥当性調査を免除する国家財政法・科学技術基本法改正案、内乱・外患罪捜査権を国軍防諜(ぼうちょう)司令部から軍事警察に引き渡す内容の軍事裁判所法改正案、政府と地方自治体が学校給食調理士・調理実務士の健康と安全保障対策を立てる学校給食法改正案も同日、処理された。

 大学生の「就職後償還学資金貸し出し」利子免除対象を拡大する「就職後償還学資金特別法改正案」も同日の国会本会議を通過した。公共・地域医療強化のために国立大学病院所管部処(省庁)を教育部(省、以下同じ)から保健福祉部に移す「国立大学病院設置法改正案」も通過した。この他に年1回、1週間単位で最大2週間まで短期育児休業が取れるようにする「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援に関する法律」改正案も国会を通過した。

権純完(クォン・スンワン)記者、崔仁準(チェ・インジュン)記者、郭来乾(クァク・レゴン)記者

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