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有事作戦統制権の韓国移管 28年が有力に=北反発の韓米演習も実施へ
【ソウル聯合ニュース】韓国と米国が、米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国への移管を加速化させるなか、10月に米ワシントンで開催される第58回韓米定例安保協議(SCM)で移管の目標年度が示される見通しだ。韓国政府筋が4日、明らかにした。
李在明(イ・ジェミョン)大統領とトランプ米大統領の在任中の移管を実現するため、2028年を目標として提示する可能性が高いとされる。
韓米はSCMまでに有事作戦統制権移管の評価・検証手続きのうち第2段階の完全運用能力(FOC)に関する検証を終え、SCMで両国国防相の承認を得る計画だ。
韓米国防相がFOCの検証結果を承認することで定められる移管の目標年度は、トランプ氏の任期終了(2029年1月20日)より前となる28年が有力だという。
有事作戦統制権移管のための評価と検証は▼初期作戦運用能力(IOC)▼完全運用能力(FOC)▼完全任務遂行能力(FMC)の3段階で行われる。現在はFOCの評価を終え、検証手続きが進んでいる。FOCの検証手続きも事実上最終段階となり、韓米連合軍司令部に代わる新たな軍司令部となる未来連合軍司令部に対する検証のみが残っているという。
FOCは定量的評価が多く、評価や検証に長時間を要するが、FMCは定性的評価が中心となるため、両国の統帥権者(大統領)の政治的決断が大きな影響を及ぼしそうだ。
「自主国防」を強調してきた李大統領は、任期中に有事作戦統制権の移管を実現するとの意志を固めており、同盟国の安全保障責任の強化を主張してきたトランプ氏も移管に前向きとされる。
トランプ政権は先ごろ発表した新たな国家防衛戦略(NDS)で、北朝鮮の従来型軍事力による脅威に対しては韓国が可能な限り責任を負うべきだとの方向性を示しており、移管に向けた動きに弾みがつきそうだ。
27年にFMCの評価・検証が始まり、翌28年には韓米同盟の20年来の懸案である有事作戦統制権の移管が実現するとの見方が強まっている。
有事作戦統制権とは特定の作戦を遂行するため、限られた時間と空間において指定された部隊を指揮できる権限を意味する。現在、平時の作戦権は韓国軍合同参謀本部議長(四つ星将官、大将)が、有事の作戦権は米軍の四つ星将官である韓米連合軍司令官が行使する。移管が実現すれば、有事の際にも韓国軍の大将が作戦統制権を行使することになる。
韓米が14年に合意した移管の条件は▼連合防衛を主導するのに必要な韓国軍の軍事的能力▼同盟の包括的な北朝鮮核・ミサイル脅威への対応能力▼安定的な移管に適合する朝鮮半島と域内の安全保障環境――の3点だった。
戦時においては朝鮮半島の戦区で韓国軍が韓米連合作戦を主導し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応できる能力を備えているかが鍵となる。
移管の条件を満たしているかどうかは「フリーダムシールド(FS)」「乙支フリーダムシールド(UFS)」をはじめとする戦区級の韓米合同軍事演習などによって評価・検証される。
韓米は移行に関する検証を円滑に進めるため、朝鮮半島での有事に備えた指揮所訓練(CPX)であるFSを来月中旬に実施することを決めた。
FSの本演習は来月9~19日、事前演習の危機管理演習(CMX)は来月3~6日に実施されるという。
韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は、南北和解の機運醸成のために北朝鮮が「北侵核戦争演習」と非難するFSの実施を調整すると言及していたが、有事作戦統制権の移管を急ぐためには演習を予定通り実施すべきだという軍当局の論理が押し通された格好だ。