社説
米国では最高裁がトランプの暴走に「待った」…韓国では誰が国会の暴走止めるのか【2月23日付社説】
韓国与党・共に民主党は22日に議員総会を開き、いわゆる「司法3法」を強行処理することに決めた。大法官(最高裁判所裁判官)を14人から26人に増やし、気に入らない判事・検察官の処罰を可能にする「法歪曲(わいきょく)罪」を新設し、裁判所の判決を憲法裁判所が覆すことができる事実上の「四審制」を導入するということだ。法治の根幹を変え、違憲論争まで巻き起こした法案だが、野党と大法院(最高裁判所)の反対は無視された。世論を集約するための公聴会もろくに開かれていない。今月24日に国会本会議で処理されるという。
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大法官増員法が通過すれば、26名のうち22名を李在明(イ・ジェミョン)大統領が任命することになる。このため、特定の政党が司法府を掌握するのではないかという懸念が強い。過ちを犯した判事・検事は現行法でも十分に処罰可能だ。しかし、「歪曲」というあいまいな基準で判事・検事に圧力を加えれば、捜査や裁判で政権の顔色をうかがわざるを得ない。憲法は裁判終結権を裁判所に付与している。憲法裁判所が大法院の判決まで審理することになれば、違憲論争は避けられない。
そうした中、米国の右派大統領による関税暴走を阻止した保守派最高裁判所のけん制が注目を集めている。米最高裁判所は21日、トランプ大統領の相互関税賦課に対し「違法」との判断を下した。関税などの税金を立法なしに大統領令により引き上げることは違法だということだ。米最高裁は保守派6名対リベラル派3名で構成されているが、保守派のうち3名が違法側に立った。トランプ大統領が任命した最高裁判所裁判官も違法だと判断した。トランプ大統領の国政運営において中核的原動力となっている関税政策に、同大統領が自分の味方だと信じていた最高裁が「待った」をかけたのだ。
韓国では地方選挙まであと100日となった。選挙に勝つには国民の視線を気にするべきなのに、共に民主党は司法府まで掌握し、三権分立を無力化する法案を推進している。現政権は「(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉前大統領による)非常戒厳を阻止した」と言うが、その独裁的な行動は、非常戒厳を宣布した勢力も顔負けだ。「野党が支離滅裂だから、どんな暴挙に出ても選挙では勝てる」と思っているのだ。国の将来のため両党の論理はひとまず脇に置き、政権の暴走を阻止してくれる米最高裁判所のような役割を、韓国では誰に期待すればいいのだろうか。