4月29日午前、ソウル市光津区広壮洞にあるトッポッキ(餅の辛炒め)専門店には客15人が開店待ちの列を成していた。開店30分前だった。この店は、マニアの間でトッポッキとエビの海苔巻き揚げで知られる。しかし、5月中旬に閉店を予定しているという。店主のチョン・ジホさん(36)は「人件費と材料費が上がり続け、従業員を雇わずに家族で店を切り盛りしてきたが、1人前5000ウォン(約530円)のトッポッキを一日中売ってようやく収支トントンと状況なので、店を閉めることにした」と話した。

【写真】人気店なのに…5月中旬閉店予定のトッポッキ店

 世界的にKフードブームが広がり、トッポッキはその代表メニューに数えられる。しかし、韓国のトッポッキ業界では閉店が相次いでいる。数年前から火鍋や麻辣燙(マーラータン)をはじめとする中国料理が韓国に流入し、市場競争が激化した。さらに、人件費や原材料費も高騰し、持ちこたえられない店が続出している。

 外食統計照会システムによると、今年3月時点で全国のトッポッキ専門店は5569カ所あるが、3年前に比べ23.6%(1716カ所)減少した。特に20代・30代の間では中国風の辛さを売り物にする火鍋や麻辣燙がトッポッキを押しのけ、人気の主流になっている。

 ソウル市西大門区の明知大前でトッポッキ店を11年営むチ・ジェギュさん(60)は「3〜4年前に登場した麻辣燙が若者の間で受け、大学生の客が半分ほどに減った」と語った。ソウル市恩平区の初等学校(小学校)前で10年続けてトッポッキ店を営む店主は「最近の小学生はカップトッポッキではなく、カップ麻辣燙を持ち歩いている。『学校前のトッポッキ屋』という言い方も無意味になった」と話した。

 中国料理店の好調ぶりは、売上データからも確認できる。中国の火鍋フランチャイズ「海底撈(ハイディラオ)」の昨年の韓国での売上高は1177億ウォンで、2020年(140億ウォン)の8.4倍に達した。麻辣燙フランチャイズの湯花功夫(タンファカンフー)も昨年、韓国で前年比14.6%増の255億ウォンの売り上げを記録した。

 最近はミルクティーや蒸し魚など中国発の「Cフード」も次々と流入している。4月30日には中国のミルクティーブランド「霸王茶姫(CHAGEE)」がソウルの江南、竜山、新村に3店舗を同時出店し、韓国市場に参入した。新村店のオープン当日には開店時間の午前10時半に約100人の客が押し寄せた。

 一方、トッポッキ店は最近、原材料費や人件費の高騰が直撃している。ソウル市西大門区でトッポッキ店を営むAさんは「21年までは業務用食用油2リットルが2万ウォン程度だったが、現在は5万ウォンに上がった」と話す。城北区の高麗大近くでトッポッキ専門店を8年営むチョ・チュンハさん(53)は「イラン戦争の影響で包装容器のコストまで大幅に上昇した。配達注文のたびに容器代を別途受け取らないと収支が合わない」と漏らした。今年3月末の時点で2〜3人分用のプラスチック容器200個の価格は3万5000ウォンだったが、現在は7万ウォンまで上昇しているという。

 しかし、トッポッキ店の店主は安易に価格に転嫁するのは難しいと話す。麻浦区のトッポッキ店の店主Kさんは「2年間値上げを検討したが、路地裏営業の不利な立地のため、簡単ではない。昨年後半に1人前でようやく500ウォン引き上げたが、材料費や人件費をすべて反映させるには、毎年700ウォンは上げなければならない状況だ」と現状を説明した。

チャン・ユン記者、キム・ジンヨン記者

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