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「Welcome to China」 南シナ海スプラトリー諸島を訪問したフィリピン議員団、ローミング案内メッセージに激高
フィリピンの議員や政府関係者などを含む一行が同国の離島を訪れた際、到着直後に携帯電話に「中国にいらっしゃったことを歓迎します(Welcome to China)」というローミング案内メッセージが表示され、一行が激高していたことが分かった。ロイター通信など海外メディアが2月24日、報じた。この島はフィリピンの本島(ルソン島)から約450キロメートル離れた南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)にある「ティトゥ島(フィリピン名:パグアサ島、希望という意味)」で、フィリピンが実効支配している。フィリピンは南シナ海を「西フィリピン海」と呼んでおり、中国と激しく領有権を争っている。
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一行が島を訪れたのは2月21日。ホンティベロス上院議員、フィリピン海岸警備隊のジェイ・タリエラ・スポークスマンなどを含む訪問団が生活用品などを積んだ船で、住民に会うためにパグアサ島に到着した直後、一行の携帯電話に問題のメッセージが表示された。島には住民およそ400人が暮らしており、面積は0.37平方キロメートル(サッカー場約50面分の広さ)ほどだが、フィリピンの本島から非常に遠いため、中国やベトナムの通信網につながるケースが多いという。
今回の件は、激化するフィリピンと中国の領有権争いを象徴する出来事だとして注目を集めている。ホンティベロス議員は自身のフェイスブックに「われわれは、パグアサとカラヤン諸島(スプラトリー諸島のフィリピン名)を絶対に諦めない」と書き込んだ。
パグアサ島はスプラトリー諸島の中で、台湾が占有中のイトゥ・アバ島の次に大きい島だ。中国とフィリピンのほかにも台湾やベトナムなどが領有権を主張している。この島は、第2次トランプ政権発足後から米国と中国による海洋覇権争いの最前線として注目されている。トランプ政権は昨年12月に発表した国家安全保障戦略(NSS)の報告書で「第1列島線(日本の九州南端から台湾、フィリピンを結ぶ防衛ライン)」での中国けん制の重要性を強調してきたが、パグアサ島は第1列島線の重要な戦略拠点とされているからだ。
米国とフィリピンは最近、戦略対話を開催し「第1列島線侵攻抑制」問題を最大の議題として話し合い、安全保障上の協力を強化することにした。これは、中国がパグアサ島周辺の海域で活動を拡大していることを念頭に置いた対応だとみられている。
中国は2014年から、パグアサ島から14海里(約26キロ)離れた暗礁一帯を埋め立てて人工島をつくり、地対空ミサイルや滑走路などの軍事施設を建設した。現在も沿岸に海洋警察の船や人民解放軍海軍の艦艇、中国漁船などを配備している。こうした状況で、最近ではフィリピン船と中国船が物理的に衝突するトラブルも相次いでいる。あるフィリピン人の漁業関係者はロイター通信に対し「中国の船が居座っているため、漁場が豊かな海域に出ることができない。手釣りをしようとすると、中国のドローンが頭の上を飛んでいく」と語った。
中国との摩擦が激化していることを受け、フィリピン政府は2月初めに外務省に海洋主権問題を専門に担当する報道官ポストを新設し、任命した。2016年にハーグの常設仲裁裁判所は、中国による南シナ海の領有権主張が国際法的に根拠がないとの判決を下し、フィリピンの主張を認めたが、中国はこれに承服していない。
ソ・ボボム記者