▲イラスト=UTOIMAGE

 英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、日本、カナダの7カ国は19日、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を非難する共同声明を発表したが、これに韓国も後から加わることを決めた。声明に海軍艦艇の派遣を含む具体的な言及はないが、ホルムズ海峡の安全航行を確保するための「適切な取り組み」に貢献する用意があるとしている。先日米国のトランプ大統領が艦船派遣を要求した5カ国のうち英国、フランス、日本は最初から声明に名を連ねたが、韓国は当初声明に加わらなかった。それが20日夜になって「ホルムズ海峡の通航を保障するための国際社会の努力に貢献を目指すわが国の意思を明確にしておきたい」として声明への参加を表明した。最初から参加要請を受けていたにも関わらず後から参加した可能性が高いが、韓国政府はこの点を明確にしていない。

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 トランプ大統領の艦船派遣要求に英国、フランス、ドイツは否定的な考えを明確にしており、日本の高市早苗首相も20日に行われたトランプ大統領との首脳会談で明確な回答を避けた。その一方でこれらの国々を含む7カ国はホルムズ海峡封鎖を非難する声明を出した。高市首相はトランプ大統領の前でもイランによるホルムズ海峡封鎖を非難すると同時に、米国の立場に理解を示すことも忘れなかった。トランプ大統領も「日本は積極的に役割を果たそうとしている」としてNATO(北大西洋条約機構)とは違い直接には不満を表明しなかった。

 ホルムズ海峡はその地形から米海軍も現状で作戦が制限されるなど非常に危険な海域だ。艦船派遣要求を受けた国々は作戦のリスクと今後の中東情勢の不確実性も相まって素早く動けないのが実情であり、それは韓国も同じだ。

 非難声明に最初から参加した7カ国のうちホルムズ海峡情勢から直接の影響を受けるのは日本だ。欧州諸国は日本ほどホルムズ海峡への依存度は高くないが、原油輸入の60%以上がホルムズ海峡を通過する韓国は日本と同じくらい依存度が高く、LNG(液化天然ガス)もかなりの量が通過する。トランプ大統領は「ホルムズ海峡の安全は現地のエネルギー輸送に依存する国々が責任を持つべきだ」と明言した。この発言が韓国と日本を念頭に置いていることは明らかだ。

 7カ国の声明に韓国だけが参加しないことには懸念もあったが、韓国政府は後から参加を決めた。動きが取れない事情は当然理解するが、米国を含む自由主義陣営に間違ったシグナルを送る結果にならないか心配が残るのも事実だ。

 声明への参加が一歩遅れたことで、今後の中東情勢と同じくらい韓国政府がトランプ大統領と米国の動向に目を向けているかも懸念せざるを得ない。イラン戦争はトランプ大統領とイスラエルが一方的に始めたもので、同盟各国も事前に一切知らされなかった。ところが事態が思い通り進まないため、米国は同盟各国にも積極的な協力を求め始めた。ただし世界の世論と同じく韓国においても米国とイスラエルへの感情は当然良くない。

 しかし米国は韓国の安全保障、外交、経済などさまざまな政策において常に大きな後ろ盾だ。現状でも関税問題や巨額の対米投資問題をかかえており、原子力潜水艦や在韓米軍の柔軟な運用、中国に対する戦略も韓米間で緊密な協議が必要だ。青瓦台(韓国大統領府)は「ホルムズ海峡の安全に貢献する方策については米国を含む各国と緊密に連絡を取り協議を行っている」と説明した。ホルムズ海峡封鎖非難声明への一歩遅れた参加にいかなる事情や判断が作用したのか、また現時点で米国との協議は進んでいるのか気になるところだ。前後と軽重を確実に見極める知恵を今こそ外交政策でも発揮してもらいたい。

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