▲第9回全国統一地方選挙の投開票日となった3日、ソウル市松坡区可楽2洞の第3投票所で投票用紙が足りなくなった。写真は待機中の有権者に配られた番号票。

 ソウル江南地域など複数の投票所で投票用紙が足りなくなり、投票が中断するというあり得ない事態が発生した。同日午後にソウル市松坡区などの投票所を訪れた有権者は選管の追加で印刷した投票用紙が到着するまでかなりの時間を待機するしかなかった。ある地域では投票終了3時間が過ぎても投票用紙が到着せず、多くの有権者が参政権を行使できず引き返し、また地上波放送3社の出口調査が発表された後も投票が行われるケースもあった。野党は当然「開票中断」を要求した。テレビで各候補者の得票率が報じられる時間に投票所では投票が行われるような選挙が正常と言えるだろうか。

【写真】投票用紙は先着順? 列を作って整理券を受け取る有権者たち

 一部の投票所で投票用紙が足りなくなった理由について選管は「投票率が想定以上に高かったため」と説明したが、これは到底納得できない。60%よりも少し高いくらいの投票率で投票用紙が足りなくなったという説明に誰が納得するだろうか。全ての有権者が投票する前提で投票用紙を準備するのが常識ではないのか。韓国はいまだにこの程度の国なのか。この深刻な事態について多くの国民は選管の発表ではなくカカオトークなどのSNS(交流サイト)を通じて最初に知ったという。選管は意図して問題を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないか。

 今回どれだけ多くの有権者が投票を諦めたか確認は不可能だ。21世紀の大韓民国は投票用紙がなくて投票ができない国なのか。有権者に与えられた参政権はたとえ1人でも保障されなければならない。今回の問題は国民の参政権が集団で妨害されたようなものだ。

 ドイツでも2021年の統一地方選挙で投票用紙の不足と誤配布がベルリンで発生した。当日ドイツの連邦憲法裁判所はずさんな選挙管理を理由に全国での再選挙を命じた。厳正な選挙管理と公正な参政権の保障は民主主義の根幹だからだ。

 選管は前回の大統領選挙で投票用紙をざるに入れて運び、すでに記票された用紙を有権者に配布した。各党から出された監視員がいない状態で投票用紙を投票箱に入れるケースもあった。選管では縁故採用や金品授受がまん延している事実も明らかになった。今回は投票用紙不足という想像の域を超えた事態が起こった。

 投票用紙が足りなかった地域の多くは野党が優勢とされていた。これは偶然だろうか。もし共に民主党が優勢な地域で同様の事態が起こっていればどうなったか考えなかったのか。こんな選管であれば廃止を求める世論が当然起こってくるだろう。

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