【萬物相】明洞の没落

2021/05/14 18:46

 1956年早春、ソウル・明洞の飲み屋でマッコリ(濁酒)を飲んでいた詩人・朴寅煥(パク・インファン)が紙に詩を書き殴った。「今はもう、あの人の名前は忘れたが/その瞳・唇は私の胸にある」。この詩に、隣にいた作曲家イ・ジンソプが曲を付けた。テナーのイム・マンソプが熱唱すると、通りかかった人々が飲み屋の前に集まったという。後に歌手パク・イニが歌ってヒットした『歳月が過ぎれば』はこうして誕生し、『明洞シャ..

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