韓国農村経済研究院が7月11日に明らかにしたところによると、昨年韓国で生産されたニンニクの50.4%が「テソ種」と呼ばれる品種だ。スペインから持ち込まれた品種で、韓国のニンニクに比べて辛みが弱く甘みが強い。一方で「六片ニンニク」と呼ばれる韓国産ニンニクのシェアは14.2%と伸び悩んだ。壇君神話に登場する「ニンニク」は1人当たり年間消費量が韓国人が世界でもトップレベルだ。辛味があって口の中でヒリヒ..
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韓国農村経済研究院が7月11日に明らかにしたところによると、昨年韓国で生産されたニンニクの50.4%が「テソ種」と呼ばれる品種だ。スペインから持ち込まれた品種で、韓国のニンニクに比べて辛みが弱く甘みが強い。一方で「六片ニンニク」と呼ばれる韓国産ニンニクのシェアは14.2%と伸び悩んだ。壇君神話に登場する「ニンニク」は1人当たり年間消費量が韓国人が世界でもトップレベルだ。辛味があって口の中でヒリヒリする韓国料理の辛味は韓流コンテンツとしても注目されているが、辛味がそれほどきつくない西洋ニンニクが韓国でも広く受け入れられているのだ。20代や30代の味の好みが上の世代とは変わってきたため、辛い味を好む韓国人が以前に比べて減っているようだ。
テソ種が韓国に最初に輸入されたのは1980年代だった。栽培が簡単で生産性が高いのがその理由だが、味の面ではニンニク特有の辛味が弱いことから「漬物用ニンニク」と呼ばれあまり好まれなかった。それが2000年代の中ごろになると事情が変わった。テソ種の栽培比率が2011年は30%を上回り、昨年は50%を突破したことで「大勢品種」となった。今年は60%近くに達するとも予想されている。2018年からテソ種を栽培している忠清南道瑞山市の農家の男性(61)は「最近は瑞山でもテソ種の割合が増え、『瑞山六片ニンニク』とは言えず『瑞山ニンニク』と呼んでいる」と説明した。タマネギや唐辛子なども辛味の強いものは少なくなっている。農村振興庁によると、タマネギの場合は相対的に出荷の時期が早い早生種の方が水分が多いため辛味が弱く、晩生種の方が辛味が強い傾向があるという。昨年は早生種の栽培面積が5年前の2015年に比べて33.3%増えた。これに対して同じ期間に晩生種は6.7%減少した。唐辛子の場合は「シャキシャキ唐辛子」「キュウリ唐辛子」などと呼ばれる「吉相品種」(27%)の栽培が昨年初めて一般品種(24%)を上回った。
スペイン・ニンニク「テソ種」の人気は若い消費者の食文化と消費性向の変化によるものだ。この年代は韓国食よりもパスタなど欧米の料理を好む傾向があるが、これらの料理にはスペイン・ニンニクの方が当然良く合う。また最近はニンニクを袋ごと購入するケースは減っているが、一方で皮がむかれた「むきニンニク」の消費が増えている。流通業界のある関係者は「皮をむくとスペイン・ニンニクの方が白みが感じられるため、若い層に好まれているようだ」と語る。農村振興庁の関係者は「年代が若くなるほど辛味が嫌われるのでスペイン・ニンニクの栽培が急速に広がった」との見方を示した。
ニンニクに限らず辛味の強い品種よりも甘みを前面に出す品種の方が最近は人気が高い。その代表的なものが最近海外から入ってきた「スーパー・スイート・コーン」だ。一般のとうもろこしに比べて糖度が2-3倍でかんだときのシャキシャキ感も特徴だ。水分が70%に達するためダイエット食品としても人気だ。Eマートによると、先月のスーパー・スイート・コーンの売り上げは前年同期比で約132.1%増加し、個数では50万本以上売れたという。
最初から甘みがない食品に甘みを入れた品種も人気だ。昨年初めて韓国に紹介された「ステビアトマト」も大きな人気を集めている。栽培過程で天然甘味料のステビアを注入して栽培することで、トマトに砂糖をかけたような甘みが出る。キャンプなど新しい文化に影響を受け人気が高まった品種もある。その代表的なものが「咸タマネギ」だ。スペインのタマネギ「カルコット」を主に慶尚南道咸陽郡で栽培したため付けられた名前だ。当然のことながら韓国のタマネギに比べて辛味が弱く甘みが強い。このタマネギは根から茎までそのまま火にあぶって食べる。農村振興庁の関係者は「韓国人の好みが変わり、それによって生産される品種も少しずつ変わっている」「最近は辛味が弱く甘みが強い韓国産ニンニク『ホンサン』を開発し、農家に普及するなど今の韓国人に好まれる品種を育てていく計画だ」とコメントした。
キム・チョンリョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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