▲写真＝NEWSIS

　養父母による虐待で死亡したジョンインちゃんのために集めた募金を個人的に使ったとして、一人のユーチューバーが指名手配された。このユーチューバーはインターネット・メディア「ソウルの声」のフリーランス記者だった。ユーチューバーは自らの指名手配が報じられたその日にユーチューブに出演し「ソウルの声の正式な記者になった」と伝えた。

　京畿道広州警察署は19日、ソウルの声のフリーランス記者だったチョン容疑者を横..

▲写真＝NEWSIS

　養父母による虐待で死亡したジョンインちゃんのために集めた募金を個人的に使ったとして、一人のユーチューバーが指名手配された。このユーチューバーはインターネット・メディア「ソウルの声」のフリーランス記者だった。ユーチューバーは自らの指名手配が報じられたその日にユーチューブに出演し「ソウルの声の正式な記者になった」と伝えた。

　京畿道広州警察署は19日、ソウルの声のフリーランス記者だったチョン容疑者を横領などの容疑で立件し、連絡がつかないことから指名手配したと発表した。警察はチョン容疑者が昨年7月26日から9月6日まで合計138回にわたり募金として受け取った約2612万ウォン（約273万9000円）のうち、1686万ウォン（約176万8000円）を個人的な用途に使用したとの告発を受け、昨年末から調査を行ってきた。チョン容疑者は昨年、ジョンインちゃんの追悼ギャラリー立ち上げのため個人の口座で募金を集め、その一部を食費や宿泊費、通信費、ガソリン代などに使った疑いがある。

　この事件の告発人は「（チョン容疑者は）ジョンインちゃんのためとして受け取った募金で個人の事務所を増築し、カンジャンケジャン（ワタリガニのしょうゆ漬け）を買って食べ、ガソリン代として使った。これがなぜジョンインちゃんの募金になるのか。チョン容疑者の募金ではないか」と訴えた。チョン容疑者は「私はジョンインの父だ」と叫びながら先頭に立ってジョンインちゃんの後援を行ったとされてきた。

　チョン容疑者は指名手配後の19日、ソウル市永登浦区汝矣島洞の韓国野党・共に民主党本部で検察による家宅捜索に抗議する集会を取材した後、帰宅する車からユーチューブ番組を進行した。チョン容疑者は「実際はこれまでソウルの声所属の記者ではなかった。フリーランサーとして仕事をしていた」「チョシム（ソウルの声ペク・ウンジュン代表）が今日私を呼んで提案してきた。今後は正式な記者になることになった。現場のチーム長だ。今日記者証を受け取った。正式な契約書は明日作成する」と述べた。

　ソウルの声はいわゆる「膺懲（ようちょう、こらしめること）取材」を行うインタビュー・メディアだ。2020年8月25日に当時の尹錫悦（ユン・ソンニョル）検事総長が住むマンションに行き、「家を見に来た」としてマンションの事務所をだまし、地下の駐車場に入って尹検事総長に質問を行い、マンション事務所から業務妨害と住居侵入で告発された。

　チョン容疑者は20日のチョソン・ドットコムの電話取材で横領を全面的に否定した。チョン容疑者は「ジョンインちゃんのギャラリーを立ち上げる際には募金の2612万ウォンよりも多い4000万ウォン（約420万円）以上かかった。募金以外に自分の金もたくさん使った。横領は事実無根だ」「誠実に調査を受けるつもりだ」と述べた。

　指名手配についても否定した。チョン容疑者は「離婚する際に居住地が明確でなかったので、警察と連絡がつかなかっただけだ」「今日警察に連絡し指名手配を解除した。近く調査を受けることになった」と説明した。これに対して警察は「指名手配は解除していない。弁護士を選任する書類を出すと連絡が来ただけで、調査を受けに来るという話はなかった」と反論した。

　ジョンインちゃんは生後6カ月だった2019年1月に養子となったが、養父母から虐待され翌年10月13日にソウル市陽川区のある病院で死亡した。養母はジョンインちゃんを虐待し殺害した容疑で今年4月に大法院（最高裁判所に相当）で懲役35年の実刑が確定した。同時に裁判を受けた養父は児童虐待を放任した容疑で懲役5年の判決を受けた。

チェ・フンミン記者

チョソン・ドットコム／朝鮮日報日本語版

Copyright (c) Chosunonline.com