韓国国民の間で既にフェイクニュースと判明した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官によるいわゆる「清潭洞酒席疑惑」を事実だと信じている人とうそだと考える人の割合がそれぞれ40%是前後で拮抗(きっこう)していることが分かった。与党支持者は大多数がフェイクニュースだと考えているが、野党支持者の大多数は事実だと考えているからだ。一方、大統領選当時、一部ユーチューバーが広め..
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韓国国民の間で既にフェイクニュースと判明した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官によるいわゆる「清潭洞酒席疑惑」を事実だと信じている人とうそだと考える人の割合がそれぞれ40%是前後で拮抗(きっこう)していることが分かった。与党支持者は大多数がフェイクニュースだと考えているが、野党支持者の大多数は事実だと考えているからだ。一方、大統領選当時、一部ユーチューバーが広めたフェイクニュースである「李在明(イ・ジェミョン)候補少年院出身説」は野党支持者の多数がうそだと考えているのに対し、与党支持者では事実だと信じている人の方が多かった。与野党の衝突で政界で二極化が進み、与野党支持層も陣営の論理にとらわれ、相手政党に不利なフェイクニュースを支持する現象が深刻化している形だ。
朝鮮日報がケースタットリサーチに依頼して実施した新年世論調査で、「尹錫悦大統領と韓東勲長官がキム・アンド・チャン法律事務所の弁護士30人とソウル・清潭洞で酒席を持ったという主張」について、回答者全体で見ると、「事実だと思う」(39.6%)と「うそだと思う」(40.3%)との回答がほぼ並んだ。「分からない・無回答」は20.1%だった。
「清潭洞酒席疑惑」はチェロ奏者の警察での証言などで事実ではないことが判明し、国会で疑惑を提起した金宜謙(キム・ウィギョム)国会議員(民主党)も「尹大統領などに深い遺憾の意を表明する」と述べた。
だが、民主党支持者に絞ると、酒席疑惑が「事実だと思う」という回答が69.6%と多数を占め、「うそだと思う」は11.5%にすぎなかった。反対に国民の力の支持者の場合、77.9%が「うそだと思う」と答え、「事実だと思う」は13.9%だった。年齢別に見ると、20-50代は酒席疑惑が事実だと信じる人の割合がうそだと考える人を10-20ポイント上回ったのに対し、60代では62.6%、70代以上では66.0%が「うそだと思う」と答えた。地域別では光州市・全羅南道では「事実だと思う」(55.1%)が「うそだと思う」(20.1%)を上回ったが、大邱市・慶尚北道では「うそだと思う」(52.8%)が「事実だと思う」(18.4%)を上回った。
一方、「李在明代表が初等学校を退学させられ、犯罪で少年院で服役したという主張」について、裁判所は既に虚偽と認定し、流布者に罰金刑を宣告しているが、回答者全体では「事実だと思う」(25.9%)、「うそだと思う」(41.6%)、「分からない・無回答」(32.4%)という結果だった。与野党支持者別でも傾向が異なった。民主党支持者は「うそだと思う」(63.7%)との回答が「事実だと思う」(11.6%)を上回ったが、国民の力支持者は「事実だと思う」(43.4%)が「うそだと思う」(27.5%)を上回った。
専門家は「政治の二極化によって、与野党支持者の間で相手政党に対する嫌悪が強まり、フェイクニュース拡散も深刻化している」と指摘した。しかし、フェイクニュースをふるいにかける自浄機能の回復に向けて真っ先に努力すべき政界がむしろ政治的・金銭的利益のためにフェイクニュースを悪用するケースが増えているのが現実だ。
韓国外国語大政治外交学科のイ・ジェムク教授は「陣営対決の激化で与野党の強硬支持層がソーシャルメディアなどで好みの情報だけを取捨選択して流布し、対立が増幅している」と話した。有権者が与野党が示す政策に対する合理的判断ではなく、「あなたと私は違う」という感情的理由で相手を憎み、党派的に有利な情報だけを信じる『確証バイアス』が激しさを増しているのだ。
今回の調査は12月26日から27日にかけ、全国で18歳以上の1022人を対象に電話で行われ、回答率は11.7%だった。(詳細は中央選挙世論調査審議委員会のウェブサイト参照)。
洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者兼データジャーナリズムチーム長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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