▲米ニューヨーク・ ブルックリンにあるジャズバー「キッサ・キッサ」。壁面にはジャズのLPが5000枚以上置かれている。/尹柱憲特派員
最近、米ニューヨーク・ブルックリンのクラウンハイツ地域にあるジャズバー「キッサ・キッサ(KISSA KISSA)」を訪れた。店内では、テナーサックス奏者ハンク・モブレーが1957年に出した曲『マイティ・モー・アンド・ジョー(Mighty Moe And Joe)』が流れていた。午後6時30分だったが、8人の客がカクテルを片手に椅子に座り、音楽に聴き入っていた。
総括マネージャーを務めるオメル・バ..
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▲米ニューヨーク・ ブルックリンにあるジャズバー「キッサ・キッサ」。壁面にはジャズのLPが5000枚以上置かれている。/尹柱憲特派員
最近、米ニューヨーク・ブルックリンのクラウンハイツ地域にあるジャズバー「キッサ・キッサ(KISSA KISSA)」を訪れた。店内では、テナーサックス奏者ハンク・モブレーが1957年に出した曲『マイティ・モー・アンド・ジョー(Mighty Moe And Joe)』が流れていた。午後6時30分だったが、8人の客がカクテルを片手に椅子に座り、音楽に聴き入っていた。
総括マネージャーを務めるオメル・バーガー氏はターンテーブルのそばでLPを手に「次はこのレコードだよ」と言って笑顔を見せた。ここは「ジャズ喫茶」と呼ばれる日本式のレトロなジャズバーだ。KISSAとは日本語の「喫茶店」を短く呼んだものだ。多数のLPレコードが壁一面を埋め尽くし、大きなターンテーブルが休みなく回りながらジャズを流し続ける光景は、1950―60年代に日本の東京・大阪・京都などの大都市に続々と誕生した「ジャズ喫茶」にそっくりだった。
メニューには洋酒やカクテル、日本酒などがあったが、アルコール目的のバーというよりは音楽鑑賞室といった性格が強く、来店客はできるだけ会話を控え、グラスに口をつけながら音楽に集中する。このような「ジャズ喫茶」が最近、ニューヨークの中心地マンハッタンやブルックリンに続々と誕生している。「キッサ・キッサ」の代表、デニー・ドゥジャヤス氏は「5000枚以上のジャズのLPを保有している」「お客さまが高音質の音楽を聴けるよう、ターンテーブルやスピーカーなど音響機器だけで4万ドル(約610万円)を投じた」と話した。
この日、カクテルを飲んでいた客の一人は「昨日初めて来たけど、雰囲気がすごく気に入って今日また来た」「騒がしすぎないので仕事の話もできるし、レトロな感性が自分にぴったりだ」と話した。LPとジャズに代表されるレトロ・コンテンツの人気が日本文化に対する西洋人特有の好奇心に合致し、このような流行が生まれたとの分析も聞かれる。
「ジャズ喫茶」はさまざまな形に枝分かれし始めている。マンハッタンのトライベッカに2023年10月にオープンした「オール・ブルーズ(All Blues)」のような店は、店内での会話を厳格に制限している。日本からやって来たオーナーのフクシマ・ユウジ氏は米紙ニューヨーク・タイムズに対し「日本でなじみだったジャズ喫茶の静かで瞑想的なムードにこだわっている」と話した。しかし「東京リスニングルーム」「Studio 151」のように、自由に酒を飲みながら客同士が会話できるフュージョンスタイルのジャズ喫茶も登場している。
尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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