▲大法院(最高裁判所)の全景。写真=ニューシスDB
【NEWSIS】ある女子大生が、自身の告げた目的地と違う場所に向かっていると誤解し、走るタクシーから飛び降りて死亡した事故で、当時このタクシーを運転していた男性の無罪が確定した。法曹関係者が18日に明らかにした。
関係者によると、大法院(最高裁判所)第3部(主審:厳相弼〈オム・サンピル〉最高裁判事)は先月23日、交通事故処理特例法違反(致死)で起訴されたタクシー運転手A被告と、女子大生を発見でき..
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▲大法院(最高裁判所)の全景。写真=ニューシスDB
【NEWSIS】ある女子大生が、自身の告げた目的地と違う場所に向かっていると誤解し、走るタクシーから飛び降りて死亡した事故で、当時このタクシーを運転していた男性の無罪が確定した。法曹関係者が18日に明らかにした。
関係者によると、大法院(最高裁判所)第3部(主審:厳相弼〈オム・サンピル〉最高裁判事)は先月23日、交通事故処理特例法違反(致死)で起訴されたタクシー運転手A被告と、女子大生を発見できず、車でひいて死亡させた運転手B被告に無罪を言い渡した二審判決を確定した。
A被告は2022年3月4日午後8時50分ごろ、韓国高速鉄道(KTX)浦項駅で大学寮に帰る20歳の女子大生を乗客として乗せた。
A被告は自動車専用道路に入り、約2分間、最大時速約109キロメートルというスピードを出したため、車内は何度もけたたましい警報音が鳴っていたことが捜査で分かった。さらに、速度取り締まり区間に2回進入し、急減速と急加速を繰り返していたことも分かっている。
女子大生が2回、目的地を確認したり、下りるからタクシーを止めてほしいと要請したりしたのにもかかわらず、A被告はこれをきちんと聞き取れずに問い返し、乗客の状態を確認しなかったという。日常生活にかなり支障が出るほど聴力が落ちており、女子大生が「この道で合っていますか? 運転手さん」「運転手さん、私を降ろしてくれませんか?」などと言っているのに気付かなかったということだ。
こうした状況から、女子大生は自分が拉致されたと思い、タクシーのドアを開けて飛び降りた。後続の車を運転していたB被告は女子大生が飛び降りたのに気付くのが遅れ、急ブレーキをかけたものの、フロントバンパーが女子大生にぶつかり、死亡させた。
一審は、A被告とB被告の双方に無罪を言い渡した。A被告はKTX浦項駅から大学寮に向かう通常のルートでタクシーを走らせており、女子大生が怖がって、走るタクシーから飛び降りることを予測するのは難しかった、と判断したものだ。
B被告も、前方を走る車から人が落ちてくるとは予想が困難で、当時は夜間だったのに加え、周囲に街灯も少なかったことなどを考慮すると、女子大生に気付くのは容易でなかった、と判断した。
二審も、一審の判断を支持し、A被告が女子大生を暴行したり脅迫したりする状況にはなく、一般的に乗客は警察に通報して危険を回避しようとするものの飛び降りはしないという点から、事故を予測するのは難しかったと判断した。
大法院は「原審の判断において、論理や経験則に反し、自由心証主義の限界を逸脱したり、交通事故処理特例法違反(致死)罪の成立に関する法理を誤解したりしている過ちはない」として上告を棄却し、無罪を確定した。
キム・レヒョン記者
NEWSIS/朝鮮日報日本語版
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