▲21日、瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた内乱首謀容疑の2回目の公判に出廷した尹錫悦・前大統領。/写真=ニュース1
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱容疑の刑事裁判が、今年の年末までに少なくともあと28回開かれることになった。ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)は21日、尹・前大統領の2回目の公判を開き、今後の裁判日程を一挙に指定した。裁判部は当初、検察側・弁護側の双方に対し、46回の追加期日を決めたいと告知した。年末までに裁判を終えて、来年2月の裁判官人事前までに宣告を下..
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▲21日、瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた内乱首謀容疑の2回目の公判に出廷した尹錫悦・前大統領。/写真=ニュース1
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱容疑の刑事裁判が、今年の年末までに少なくともあと28回開かれることになった。ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)は21日、尹・前大統領の2回目の公判を開き、今後の裁判日程を一挙に指定した。裁判部は当初、検察側・弁護側の双方に対し、46回の追加期日を決めたいと告知した。年末までに裁判を終えて、来年2月の裁判官人事前までに宣告を下したい、という趣旨だと解された。しかし尹・前大統領側は、18回ほど不可能な日を除外してほしいと要請した。
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この日の裁判では、尹・前大統領が被告人席に座っている様子が初めてメディアに公開された。裁判部が写真および映像の撮影を許可したからだ。尹・前大統領は裁判で8分間発言し「戒厳令は、それ自体は価値中立的な法的手段に過ぎない」「戒厳と内乱は異なる」などの主張を繰り広げた。
■被告人・尹錫悦「刃物を使ったからといって無条件に殺人というわけではない」
初公判で93分間、検察側の主張に一つ一つ反論していた尹大統領は、この日は発言を控えめにする様子だった。裁判が進行している間は、おおむね目を閉じていて、時折傍らに座る弁護人とひそひそと会話を交わした。
裁判の終わりごろ、尹・前大統領は直接発言に乗り出した。尹・前大統領は「戒厳令は刃物のようなもの」だとし「刃物で料理もできるし、病気の人を手術もできるし、脅迫・傷害などの罪を犯すこともあり得る。刃物を使ったからといって、無条件に殺人だという形で見てはならない」と主張した。その上で「(戒厳で)誰も傷つかず、流血の事態もなかった」「最初からそうして(軍人たちを)実武装させず、少数のみを送った」「もし内乱で長期独裁のために憲政秩序を破壊したのであれば、それを実現するための政務・政権計画や軍をどのように活用しようとしたかを根本的に取り上げてこそ、内乱罪が成立するかどうかが究明される」と主張した。非常戒厳は独裁や長期政権目的ではない「メッセージ戒厳」だった、という立場を再度強調したのだ。
■特戦大隊長「人に忠誠はしない」
この日の裁判では、非常戒厳宣布後に国会に投入されたチョ・ソンヒョン陸軍首都防衛司令部第1警備団長(大領=大佐に相当。以下同じ)と、キム・ヒョンギ陸軍特殊戦司令部第1特戦大隊長(中領)に対する証人尋問も進められた。尹・前大統領側の反対尋問が主に行われた。
尋問が終わってキム大隊長は「ぜひ申し上げたいことがある」とし、裁判部に発言を要請した。キム大隊長は「私は、人に忠誠はしない。組織に忠誠してきて、その組織が私に、国家と国民を守れという任務を付与した」「抗命と言う者もいるが、上級者の命令に服従するのは国家と国民を守れという任務を付与したときに局限される」と述べた。かつて2013年の「国家情報院コメント事件」のとき、当時検察官だった尹・前大統領が国政監査で発言した言葉を引用したのだ。この発言を聞いた尹・前大統領は閉じていた目を開け、一度キム大隊長の方へ目を向けた。キム大隊長は「わが軍が二度と政治的手段として利用されないように、私の後ろに座っていらっしゃる方々(報道関係者)にわが軍を監視してもらいたい」と語った。
■年末までに少なくともさらに28回の裁判を行うもよう
証人尋問を終えた後、尹・前大統領側は検察が申請した証人リストと尋問順序は誤りだと再度問題を提起した。韋賢碩(ウィ・ヒョンソク)弁護士は金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官など10人の名前を挙げて「検察の申請証人38人のうち、被告人と直接・間接に謀議した人物は1人もいない。国務会議(閣議に相当)関係者の大多数も最優先証人リストにない」とし「伝聞や推測よりも、直接経験した内容で証言が行われることを望む」と発言した。
尹・前大統領も「前職大統領である私一人が裁判を受けるのに(他人を介した)伝聞証人の証言を法廷でここまで聞く必要があるのか」と口を挟んだ。すると裁判部は「内乱罪の法理については裁判部が明確な基準を持っている。こういう部分に疑問を持つのであれば、それは誤ったこと」と指摘した。
検察は、尹・前大統領の弾劾審判決定文を追加証拠として提出し、尹・前大統領側は崔載海(チェ・ジェへ)監査院長と朴性載(パク・ソンジェ)法相、李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長などを証人として申請した。
裁判部は、今年12月22日まで月に3-4回ずつ、計28回の裁判日程をひとまず確定させた。尹・前大統領側は「週に1度程度であれば充実して弁論をしたい」としたが、裁判部は「(確定した期日に加えて)さらに10回ほど期日を追加せざるを得ない」と述べた。次の裁判は来月12日に開かれ、パク・チョンファン特戦司参謀長とオ・サンベ消防司令官副官が証人として出廷する。
キム・ウンギョン記者、パク・ヘヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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