▲写真=UTOIMAGE
米国の大学に留学中、ドローンを使って米海軍基地を無断で撮影した容疑で米政府当局に逮捕された中国人留学生が有罪を宣告され、懲役刑を終えた後に中国に追放された。米政府当局はこの中国人留学生の容疑や司法対応、追放までのプロセスを詳細に説明し、さらに実名や正面から撮影した顔写真まで公開した。最近韓国でも相次いで摘発されている中国人留学生による軍事施設の不法撮影行為について米国は「安全保障上の最大の脅威」..
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米国の大学に留学中、ドローンを使って米海軍基地を無断で撮影した容疑で米政府当局に逮捕された中国人留学生が有罪を宣告され、懲役刑を終えた後に中国に追放された。米政府当局はこの中国人留学生の容疑や司法対応、追放までのプロセスを詳細に説明し、さらに実名や正面から撮影した顔写真まで公開した。最近韓国でも相次いで摘発されている中国人留学生による軍事施設の不法撮影行為について米国は「安全保障上の最大の脅威」と見なし、中国に対して厳しく警告するメッセージを送ったと解釈されている。
【図】「中国が偽装諜報基地を構築」 19の米国内軍事基地の近隣で怪しい農地買収相次ぐ
米移民税関捜査局(ICE)フィラデルフィア事務所は14日、在米中国人留学生S(姓のイニシャル)を今月7日に「中国に向け除去(removed to China)」したと発表した。通常司法機関が不法移民や犯罪者を米国の外に追い出す際には「追放(extradite)」という言葉を使うが、今回はより強い語感の「除去」という言葉が用いられた。ICEは「Sはドローンで米軍基地を不法に撮影し裁判所で有罪が宣告された」「この問題を国家安全保障上の脅威に指定した」などと追放の背景について説明した。カジュアル服に眼鏡姿で空港から入国した当時のSとみられる20代前半男性の実名と全身写真を、ICEはモザイクなしで公開した。
この結果、留学生ビザで米国に入国したSは4年で「米国の国家安全保障上の脅威」に指定され、米国の刑務所で服役し、刑期を終えた後に中国に追放された。Sは2021年8月に留学生ビザ(F1)でサンフランシスコから米国に入国し、ミネソタ大学の大学院で農業技術を研究していたが、昨年1月に米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。ドローンを飛ばして米政府の国家防衛空域を侵犯し、バージニア州ノーフォークの海軍基地などを撮影したとしてSは取り調べを受けた。
中国人留学生がドローンで米軍基地を撮影した事実が確認されたことを受け、米政府当局は迅速かつ厳しい対応を取った。まず逮捕から1週間でSの留学生ビザを剥脱し、さらに10日後にはSが大学院生として籍を置いていたミネソタ大学も交換留学生の地位を剥脱した。この事件が起こったのは前任のバイデン政権の時で、トランプ政権が留学生の滞在状況を厳しくチェックする前だった。つまりこの事件は政党やイデオロギーに関係なく、国家安全保障上の重大な脅威と見なされたようだ。Sが在学していたミネソタ大学は米中西部の歴史ある公立大学で、アジアからの留学生の割合が比較的高い。しかし事件が表面化したことで大学側も直ちに留学生の地位を剥脱し、司法当局の捜査に協力した。
刑事被告人として裁判を受けたSは昨年10月、自らの事件を審理するバージニア州東部連邦地裁で「米軍基地をドローンで不法に撮影した」として「懲役6カ月、保護観察1年」が宣告された。その後Sは昨年11月にペンシルベニア州のアレンウッド連邦刑務所の不法移民者収容棟に収監されたが、今年3月になってSに対する司法対応は不法移民・不法滞在者を担当するICEに移管された。Sはアレンウッド刑務所での刑期を終えると同時にICEに再逮捕され、ペンシルベニア州クリントン郡にある別の刑務所に移された。Sを米国から追放するための裁判が始まったのだ。
3月24日にニュージャージー州エリザベスの移民裁判所はSに対して米国からの追放を命じ、中国への追放を確定した。ICEフィラデルフィア事務所のブライアン・マックシェイン局長代行は「ICEの変わらない目標は米国民を保護し、国家安全保障体制を維持することであり、Sの除去はこのことを改めて示すものだ」とした上で「Sの不法行為は非常にセンシティブ(微妙、繊細)な米軍基地に対する重大な脅威となった」「Sが除去されることで、安全保障上の脅威が解消された」とコメントした。
鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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