▲米国防長官のシニアアドバイザーを務めたダン・コールドウェル氏(左)とディフェンス・プライオリティーズのジェニファー・カバナ・シニアフェロー
在韓米軍防衛費分担金を巡り米国のトランプ大統領による韓国政府への圧力が強まる中、米国国内でも在韓米軍削減を求める声が相次いでいる。中でも中国による台湾侵攻シナリオと関連付け、具体的な期限を提示した上での撤収を求める声も出ている。
【写真】在韓米軍が使用中の上下逆さまになった東アジアの地図
ワシントンの民間シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」は9日に公表した報告書「米国の国益に合わせた海..
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▲米国防長官のシニアアドバイザーを務めたダン・コールドウェル氏(左)とディフェンス・プライオリティーズのジェニファー・カバナ・シニアフェロー
在韓米軍防衛費分担金を巡り米国のトランプ大統領による韓国政府への圧力が強まる中、米国国内でも在韓米軍削減を求める声が相次いでいる。中でも中国による台湾侵攻シナリオと関連付け、具体的な期限を提示した上での撤収を求める声も出ている。
【写真】在韓米軍が使用中の上下逆さまになった東アジアの地図
ワシントンの民間シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」は9日に公表した報告書「米国の国益に合わせた海外駐留軍態勢」の中で「現在約2万8500人の在韓米軍のうち、地上軍兵力は大部分撤収させ、残すのは1万人ほどにすべきだ」と主張した。「東アジアにおいて米軍は中国をけん制し、米国の国益を守る方向へと再編しなければならない」として在韓米軍削減の必要性を強調している。
この報告書はヘグセス米国防長官のシニアアドバイザーを務めたダン・コールドウェル氏と同シンクタンクでシニアフェローを務めるジェニファー・カバナ氏が共同で取りまとめた。報告書は「韓国における米軍基地防衛と関係のない全ての地上軍部隊、陸軍の通信・情報・本部部隊や支援部隊の一部を削減すべきだ」とした上で「韓半島に循環配置される戦闘旅団(BCT)と陸軍戦闘航空部隊を含む第2歩兵師団も大部分撤収しなければならない」「戦闘機飛行大隊やこれに関係する航空整備・支援の人材も減らし、残すのは1万人程度にすべきだ」などとも主張している。第2師団として知られる米陸軍第2歩兵師団は北朝鮮を抑止する在韓米軍の主要な戦力だ。
報告書は上記のように在韓米軍の見直しが必要な理由について「インド太平洋地域で紛争が発生したときに、米国が韓国の基地を制限なしに使用できるアクセス権限がないため」と指摘した。中国が台湾を侵攻した場合、韓国に駐留する米軍戦力を必要なときに必要に応じて活用できない可能性がある点に言及したようだ。報告書は「米国の同盟国やパートナー国の無賃乗車は相変わらず問題だ」とした上で「韓国は米国の他の同盟国に比べて防衛費の額は大きいが、主要な戦闘支援の一部は今なお米軍に依存している」と指摘した。さらに「韓国は在来戦力においては北朝鮮よりも優位であり、米国の支援がなくとも直ちに自分たちを効果的に防衛できる」とも主張した。
共著者のカバナ氏は本紙の電話取材に「在韓米軍削減はトランプ政権が掲げる単なる外交・安全保障政策の次元を超え、国外問題から少しずつ手を引こうとする米国国内の大きな流れを反映するものだ」「在韓米軍削減は4年以内に現実となり得るシナリオだ」などと説明した。カバナ氏はさらに「北朝鮮の在来戦力に対する防衛は韓国の方が優れているかもしれない」「韓米間で現在協議中の戦時作戦統制権移管問題は長期的には米軍削減に向かう最初の段階になると思う」と述べた。
カバノ氏は「韓国は地理的、戦略的に非常に重要な位置にあるが、インド太平洋地域の有事に韓国から撤収・移動できる兵力の規模には限界があり、韓国国内の米軍基地活用についても保証がない」「3万人の米軍兵力を必要に応じて使えないなら、米国としてはリスク要因だ。国防総省が体制を見直すに当たり、この部分は非常に重視するだろう」と予想した。台湾問題と関連してカバノ氏は「国防総省は台湾海峡有事に韓国の基地を使って作戦を遂行したいだろうが、米国国内では韓国の同意が得られる可能性は低いとの見方が広がっている」「そのため韓国の米軍基地をメンテナンス、物流、情報などの支援機能に使えるよう、柔軟性を持たせることが現実的と考えている」との見方を示した。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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