▲イラスト=李撤元(イ・チョルウォン)
今月20日に投開票が行われた日本の参議院選挙における最大の勝利者に挙げられる人物は、神谷宗幣参政党代表(48)だ。参政党は今回の選挙で14人を当選させ、15議席の主要政党へと急浮上した。反面、参政党に保守支持層を奪われて13議席を失った自民党は、101議席へと落ち込んだ。神谷代表が日本の右翼の「新星」として台頭したのだ。
【グラフ】2025参院選後の議席数
「日本人ファースト」を掲げる神谷代表は「..
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▲イラスト=李撤元(イ・チョルウォン)
今月20日に投開票が行われた日本の参議院選挙における最大の勝利者に挙げられる人物は、神谷宗幣参政党代表(48)だ。参政党は今回の選挙で14人を当選させ、15議席の主要政党へと急浮上した。反面、参政党に保守支持層を奪われて13議席を失った自民党は、101議席へと落ち込んだ。神谷代表が日本の右翼の「新星」として台頭したのだ。
【グラフ】2025参院選後の議席数
「日本人ファースト」を掲げる神谷代表は「多国籍企業が(コロナ)パンデミックを起こしたといううわさがある」というようなスタイルの陰謀論や「高齢の女性は子供を生めない」というような刺激的発言をためらわなかった。その中で、最も選挙に奏功したのは「反外国人発言」だった。神谷代表は「人が足りないのなら賃金が上がるはずだが、外国人が日本人より30%も低い金額でも働くから、日本人の賃金も上げない」と主張した。さらに「外国人は相続税を払わない」という明白なフェイクニュースを公式の席でばらまくということもやった。
日本は労働力不足で完全雇用状態に近い国だ。外国人労働者の数も230万人で、就業者全体から見ると3%の水準に過ぎない。にもかかわらず、外国人労働者が日本人の生活をきつくしている、という論理を展開した。外国人富裕層による日本の土地・マンション購入を問題視し、外国人スパイの危険性も取り上げた。するとソーシャルメディアでは「#参政党旋風」「#参政党いいよね」といったハッシュタグが登場し、いつの間にか「参政党」が、日本の政党の中では最も多くソーシャルメディアで言及される検索語になった。
参政党が旋風を起こした秘密の一つは、30代から50代の日本人支持層が神谷代表に感じる連帯意識だという分析が出ている。政治を家業として受け継ぐ自民党有力政治家の「お坊ちゃん」とは違い、庶民の暮らしがどういうものか分かっているというのだ。神谷代表は1977年、人口およそ9000人の福井県高浜町でスーパーマーケットを営む両親の下に生まれた。高度成長期が終わってバブル崩壊が始まった90年代以降に大学へ通い、社会に出た。関西大学に通っていたころに8カ月間、バックパッカーとして18カ国を巡る旅もしたという。2001年に卒業し、高校教師(英語・世界史)として1年勤めた後、家業である食品スーパーマーケットの経営に挑戦したものの倒産。その後、再び教師として活動し、政治に携わるようになったのは07年に大阪府吹田市の市議会議員になってからだ。20年には参政党を創立した。
最近の円安と物価高、実質賃金の下落、犯罪率の増加で、生活水準や治安が以前のようではないと感じている日本人たちの心に入り込むことにも成功した。多くの有権者が「自民党や既存の野党は家計の現実問題を解決してくれない」と感じる中、「投票したい政党がないなら、 自分たちでゼロからつくる」とスローガンを叫んで外国人規制強化・税金改革に乗り出すという参政党に期待を持つようになったのだ。産経新聞は「単純明快な主張は自民党を支えてきた堅固な保守層を崩し、就職氷河期世代や無党派層、主婦層にも食い込んだ」と分析した。朝日新聞は「参政党の街頭演説のときには立ち止まって聞く人が多かった」と伝えた。
今回の参議院選挙での旋風にもかかわらず、参政党には、衆議院では3議席にとどまるという限界がある。3年後に行われる衆議院選挙でも今回のような躍進が可能なのかどうかは不明確だ。大衆的人気を得た神谷代表の個人的弱点が露見する可能性もないわけではない。例えば23年12月に、神谷代表の秘書だった女性が自殺して「パワハラ」論争が起きた。この女性は自殺前、知人に「何言ってもどんな暴言吐いても許されるとか思っているのかしら。私、過去に働いていた職場の上司でこんな人は当然ながら一人もいなかったし、部下として敬意を払ってもらってました」というメッセージを送信した。神谷代表は当時、「厳しいことを言ったのは事実で、責任を感じている」と述べた。
成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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