韓国海軍初の3600トン級潜水艦「蔣英実」(SS087)の進水式が22日、慶尚南道のハンファオーシャン巨済造船所で開かれた。
【写真】韓国海軍初の3600トン級潜水艦「蔣英実」進水式
蒋英実は全長89メートルで、「島山安昌浩」級潜水艦(3000トン級、全長83メートル)より大きく、探知および打撃能力、隠密性、生存性などさまざまな側面で性能が一段階向上したと評されている。鉛バッテリーではなくリチウム..
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韓国海軍初の3600トン級潜水艦「蔣英実」(SS087)の進水式が22日、慶尚南道のハンファオーシャン巨済造船所で開かれた。
【写真】韓国海軍初の3600トン級潜水艦「蔣英実」進水式
蒋英実は全長89メートルで、「島山安昌浩」級潜水艦(3000トン級、全長83メートル)より大きく、探知および打撃能力、隠密性、生存性などさまざまな側面で性能が一段階向上したと評されている。鉛バッテリーではなくリチウムバッテリーを活用することで潜航時間が伸びた。「玄武4」など潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載できる垂直発射管(VLS)が10基あり、従来の島山安昌浩級(6基)より火力も強化された。
韓国海軍の姜東佶(カン・ドンギル)参謀総長は「韓国の技術で建造された蔣英実はスマート精鋭強軍の跳躍を告げる信号弾」だと述べた。SLBMが搭載された潜水艦は、北朝鮮のミサイル挑発を抑止し、敵の海上戦力の接近を遮断するなど、戦略的重要性が高い兵器だ。そのため、新型潜水艦の進水式に際しては歴代大統領が欠かさず出席していた。
1992年の張保皐級(1200トン)国内組み立て1号艦となる「李阡」の進水式に、当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領が出席して以来、孫元一級(1800トン)1番艦「孫元一」の進水式には盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領、3000トン級1番艦の島山安昌浩の進水式には文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席した。当時の文大統領は、南北首脳会談まであと1週間という状況だったが、進水式で「『力を通した平和』という韓国政府が追及する、揺るぎない安保戦略」と発言した。在任期間が1番艦の進水と重ならないケースだった金泳三(キム・ヨンサム)大統領と朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、それぞれ張保皐級3番艦「崔茂宣」と孫元一級4番艦「金佐鎮」の進水式に出席し、国防力を強調した。
だが、この日の進水式には李在明(イ・ジェミョン)大統領、金民錫(キム・ミンソク)首相、安圭佰(アン・ギュベク)国防相など韓国政府の主要人物は出席しなかった。李大統領はこの日、公のスケジュールはなく、金首相は忠清南道公州と大邱を訪問し、安長官も公のスケジュールはなく、業務報告を受けたといわれる。韓国海軍は、李大統領の出席を予想して進水式を準備したが、その後、不参加という形で整理されたことで当惑をあらわにした―と伝えられている。大統領室の一部には、蔣英実の進水式に出席した場合、プロジェクトを開始した前政権の成果をPRしてやることになりかねない、という意見もあったという。
韓国政府の主要人物が出席しなかったことを巡り、韓国政府が北朝鮮を刺激することを懸念して「ローキー(low key/抑制的な)」基調で進水式を執り行った、という解釈も出た。島山安昌浩級と蔣英実級は搭載している弾道ミサイルで北朝鮮の指揮部やミサイル基地などを先制攻撃できる。。ある予備役将官は「大統領や国防相が『自首国防』を強調しつつも進水式には出席しなかったのは理解できない」とし「われわれが『ローキー』で出ても北朝鮮の挑発は続いている現実を直視すべき」と指摘した。
韓国国防安保フォーラムのオム・ヒョシク事務総長は「8兆ウォン(現在のレートで約8500億円)規模といわれるポーランドの新型潜水艦導入事業『オルカ・プロジェクト』の受注のために大統領室秘書室長まで特使として派遣したところに、韓国軍の最新鋭潜水艦の進水式に大統領が出席していれば、おのずと韓国の潜水艦技術力のPRにつながっていただろう」と語った。
ヤン・ジホ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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