▲ペク・ヘリョン警正/写真=ニュース1
「税関麻薬捜査外圧疑惑」を提起したペク・ヘリョン警正(警視に相当)は、外圧の黒幕として尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫妻を名指ししている。ペク警正はソウル永登浦警察署刑事課長だった2023年、マレーシア人のヒロポン密輸事件を捜査する過程で「仁川税関の公務員が運び屋の入国を助けた」という供述を確保した。すると、これを知った尹大統領夫妻が大統領室・検察・警察・国家情報院(韓国の情報機関)などを動..
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▲ペク・ヘリョン警正/写真=ニュース1
「税関麻薬捜査外圧疑惑」を提起したペク・ヘリョン警正(警視に相当)は、外圧の黒幕として尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫妻を名指ししている。ペク警正はソウル永登浦警察署刑事課長だった2023年、マレーシア人のヒロポン密輸事件を捜査する過程で「仁川税関の公務員が運び屋の入国を助けた」という供述を確保した。すると、これを知った尹大統領夫妻が大統領室・検察・警察・国家情報院(韓国の情報機関)などを動員して事件を隠蔽(いんぺい)しようと外圧を行使した―というのがペク警正の主張だ。
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ペク警正は、金建希(キム・ゴンヒ)夫人の母親、崔銀順(チェ・ウンスン)氏の側近といわれるキム・チュンシク氏(86)が作成したメモの内容を、その根拠として提示している。ユーチューブ上の与党寄りのチャンネル「開かれた共感TV」は最近、キム氏の手帳を入手して内容を公開した。手帳には「310kマレーシア」「1次55k」という文言が記されている。
ペク警正は「310k」は尹大統領夫妻がマレーシアから持ち込んだ麻薬の重量を意味すると主張した。ペク警正は「マレーシアの組織が密輸しようとした規模が合計300キロ」と言ってきたが、これと同じだというのだ。「1次55k」は「1次分55キロが韓国に入ったという意味」と、ペク警正は主張する。ただし、2023年10月のペク警正のグループによる捜査結果ブリーフィングを見ても、当時摘発した密輸組織が一度に55キロを持ち込んだ痕跡は見られない。
ペク警正の主張に対しキム氏は今年8月、与党寄りのユーチューブ配信で「(メモは)私が作成したもので間違いないように思う」としつつも「知人のA教授の話を書いたもの」と答えた。崔銀順氏の事業とは関係ない、という主張だ。その上でキム氏は「(310k・55kなどは)麻薬ではなく金」「マレーシアから韓国に金を送ったが、フィリピンで押収されたと聞いた」と語った。これを巡り、ペク警正側は「金310キロであれば、現在の時価で600億ウォン(約64億円)を超える。麻薬関与疑惑を覆い隠すため、でたらめなうそをついている」と主張した。
法曹界では「手帳の一部の記述だけを根拠に内乱資金説をぶち上げるのは無理」という反応が多い。ただし、数百億ウォン(100億ウォン=約10億7000万円)台の金をマレーシアから持ち込もうとしたというキム氏の主張も納得し難く、究明が必要という指摘も少なくない。
一方、ペク警正は「仁川税関の職員たちがヒロポン搬入を助けた」と供述したマレーシアの運び屋の一人が統合失調症を患っていた、という報道(10月25日付本紙)に関連して、26日に声明を発表した。声明でペク警正は「(この運び屋は)特定の人物や事物を指し示す分には支障はなく、むしろ極めて優秀」とした。この運び屋は、仁川空港の現場検証の最中にも統合失調症の症状を訴えた。これについてペク警正は「統合失調症の症状を示したB氏(運び屋)の供述は、検察が捜査の端緒および有罪認定の根拠として既に使用した」と主張した。
カン・ジウン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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