▲尹錫悦・前大統領
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が「逮捕妨害」事件の裁判で「大統領公邸は一般道路や私有地なのか」と、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕状執行の違法性を主張した。
尹・前大統領は7日、ソウル中央地裁刑事35部(裁判長:白大鉉〈ペク・テヒョン〉部長判事)の審理で開かれた特殊公務執行妨害等容疑事件の裁判で、朴相賢(パク・サンヒョン)公捜処捜査4部副部長検事に対する証人尋問中、このように述べた。
【写..
続き読む
▲尹錫悦・前大統領
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が「逮捕妨害」事件の裁判で「大統領公邸は一般道路や私有地なのか」と、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕状執行の違法性を主張した。
尹・前大統領は7日、ソウル中央地裁刑事35部(裁判長:白大鉉〈ペク・テヒョン〉部長判事)の審理で開かれた特殊公務執行妨害等容疑事件の裁判で、朴相賢(パク・サンヒョン)公捜処捜査4部副部長検事に対する証人尋問中、このように述べた。
【写真】ソウル・漢南洞の大統領公邸正門から突入する公捜処の捜査官と警察官
朴検事は今年1月3日、尹・前大統領に対する逮捕状執行のために、当時の大統領公邸(竜山区漢南洞)の現場に出動した。朴検事によると、公捜処は公館ゾーン正門前の1次阻止線でイ・グァンウ大統領警護処警護本部長に令状を提示したが、「協調するつもりはない」と言われ、令状執行を強行するため衛兵所の外に出て実際に中に入るための作業を始めた。
朴検事は「軍人と推定される数十-数百人が隊列を組んだ形で阻止線をつくり、極めて強い物理力を使わなくては通過できない状況がつくられていた」「ところがその後、中で『協力しよう』という話が出たようで、ある瞬間に阻止線を貫くことができた。貫いた部分を通過して前に進んだと記憶している」と述べた。
公捜処が当時、捜索令状執行のための処分の一環として警護処に令状を提示し、立ち入り許可を求めたのは適正か―という特別検察官側の質問に対し、朴検事は「はい」と答えた。当時、警護処で公捜処の関係者を押しとどめている状況にもかかわらず公館ゾーン内に入ろうとしていた理由について、朴検事は「(逮捕状)執行のためには捜索をしなければならないから」と答えた。
これに対し尹・前大統領側は、捜索令状に適示された公邸(漢南大路128-24)まで行く道も軍事施設保護区域なのだから別途に令状が必要、という趣旨で主張を繰り広げた。尹・前大統領の弁護人は「昨年12月31日と今年1月1日の2度、協調に関する公文が届いたが、2通目の公文では1通目の公文になかった11の地番についての立ち入り許可を要請した」「これは捜索令状に記載された地番のほかに10カ所について警護処の立ち入り許可を得るためのもの」と指摘した。公捜処も、公邸に向かう道に対する立ち入り許可を受けなければ違法だということを認識していたのではないか、と言っているのだ。
尹・前大統領が自ら証人尋問に乗り出し「人々が一般的に歩いて通る道路や私有地ではなく、軍事施設保護区域」だとして「明白に令状に記載されていない場所を捜索した」とも発言した。さらに「公捜処でも、令状をもらってみて『しまった』と思ったから、11の筆地について立ち入り許可を要請したのではないか」「そういう形で捜査するのか」と尋ねた。朴検事は、これに対し「逮捕適否審でも同じ主張をなされたが、棄却された」と指摘した。
尹・前大統領は、当時公捜処がソウル中央地裁ではなくソウル西部地裁に令状を請求し、発付を受けたことも問題視した。尹・前大統領は「内乱関連事件は全てソウル中央地裁に行ったのに、最も重要な内乱首謀者事件関連の令状を西部地裁でやる必要があるのか」「西部地裁に令状を請求する際、公捜処内で議論はなかったのか」と尋ねた。これに対し朴検事は「この事件の前にも(公捜処が)別の裁判所から令状発付を受けた事例はあり、公捜処法に基づいて適法に令状請求したという認識があった」と反論した。
キム・ウンギョン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com